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09月11日-02号

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  1. 岡山県議会 1997-09-11
    09月11日-02号


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    平成9年 9月定例会          ◎ 平成9年9月岡山県議会定例会会議録  第2号〇 平成9年9月11日(木曜日)                  議  事  日  程                  午前10時30分開議第1 代表質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~                  本日の会議に付した事件日程第1 代表質問      ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        午前10時30分開議 ○議長(大杉尚久君)  これより本日の会議を開きます。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 代表質問 ○議長(大杉尚久君)  日程に入り,代表質問を行います。 質問時間は50分以内と定めます。 自由民主党県議団代表36番桑山博之君。   〔 36番 桑山博之君 登壇 〕 ◆36番(桑山博之君)  おはようございます。 私は,自由民主党県議団を代表いたしまして,当面する県政の重要課題につきまして,石井知事を初め関係者にお尋ねをいたします。 さて,我が自由民主党の橋本龍太郎総裁には,このたびの総裁選挙におきまして,他に立候補者もなく見事再選を果たされました。総裁を擁する地元岡山県連といたしましては,県民とともに大変喜ばしい限りでありまして,心からお喜びを申し上げます。 現在,国政におきましては,橋本総理の「6つの改革」,これを重要な柱として行財政改革の具体的な内容が明らかになりつつあり,これからがまさに正念場であります。その大任を全うされるよう願ってやまないところであります。橋本総理が,思う存分リーダーシップを発揮され,21世紀に向けて我が国家国民のために行うこの「6つの改革」を実行するためには,我が党が安定多数を確保し,そして堂々たる政治を行うことが最も必要なことであります。その意味におきまして,来年7月の参議院議員選挙は特に重要であります。 一方,我が岡山県政におきましては,行財政改革がまさに喫緊の課題となってございます。我が議会も,厳しい財政状況の中,当面の財政再建を果たすとともに,さらに簡素で合理的な行財政システムの構築を図っていかなければなりません。我が自由民主党県議団は,この機をむしろチャンスととらえ,責任政党としての責務を果たす所存であります。県民の皆様の一層の御理解,御支援を賜りますように特にお願いを申し上げまして,次に具体的な質問に入りたいと存じます。 最初は,行財政問題であります。 戦後50年の間,我が国は,国民の平等性,そして地域の均衡発展,これを求めながら豊かな国民生活を手に入れることを目標とし,大きな成果を上げることができました。しかしながら,少子・高齢化が急速に進む中にあって,現在の行政の仕組みを根本から見直し,そして改革をしなければ,国の活力ある発展が遂げられない,こういう事態に陥ったのであります。そこで,橋本内閣は,世界の潮流を先取りする経済社会システムを一日も早くつくり上げるために,行政,財政,経済,金融,社会保障,教育,この「6つの改革」を断行せんとしておるのであります。その改革の中,行政改革を最大の課題として取り組んでおられるのであります。 また,我が国の財政は,平成9年度末の国と地方を合わせた長期債務の残高が476兆円となる見込みであり,まさに天文学的な数字に膨れ上がりました。主要先進国の中で最悪の状況になっておるのであります。そこで,国は,財政構造改革5原則を定めて,国と地方を含む財政健全化を速やかに達成するという大方針を定めました。それによると,財政赤字を今後6年間,つまり2003年度までに現在の国内総生産(GDP)の5.4%を3%以内に抑えるという財政再建の具体的な数値目標を定めたのであります。特に,今後3年間を集中改革期間として,あらゆる分野にわたり「一切の聖域なし」として厳しい行政の改革,そして歳出の縮減を打ち出しております。 そうした中,本県では,以上のような国の財政構造改革の影響をもろに受けて,危機的な財政状況の建て直しが至上命令になったのであります。そこで,新時代へ適切に対応する行財政システムの確立のために,行財政改革懇談会に専門委員会を設けまして集中審議を行い,先ごろその中間報告が出されたところであります。しかしながら,その改革を行うに際して,大規模事業などの不要な出費が県財政を圧迫したんだという大規模事業否定論が一部に確かにございますが,しかし,21世紀に向けて岡山県がさらに大きく発展するための基盤整備としての意義は,これは決して軽んずべきではありません。例えば,本県は,国の直轄事業を除いても,この10年間で10億円以上の事業を70以上も手がけており,その投資額は約4,000億円に上るのであります。これは,本県の将来に必ずや生きてくるものであります。県民の財産というべきものであります。 また,それらの大規模事業を,起債を財源として行うということの意味は,そのときの県民だけにすべての費用を負担させるのではなくて,後世の人に公平に負担をしてもらうというのが正しい趣旨でありまして,一定の制限は当然受けなければなりませんが,借金を単なるマイナスイメージだけで見ることは,これは決して正しい見方ではございません。さらに,岡山県は,借金による公債費比率はなるほどワーストワンでありますが,しかし,財政の硬直度あるいは余裕度を示すところの経常収支比率で見ますというと,7年度決算では大阪府が108.9%で,全国ワーストワンであります。本県は89.8%でありまして,全国平均よりやや財政が硬直化しておるという程度であります。要は,悲観も楽観もせず,事実は事実として厳しくこれを受けとめ,21世紀に岡山県が発展をする基盤,基礎をつくることこそ重要であると考えるのであります。そのために,まさにピンチはチャンスだと,こういう発想のもとで,まず当面は財政再建を図らなければならない,そう申し上げておるのであります。 知事は,この財政危機に際し,どのような基本理念のもとにどのように改革をしていかれるのか,何のために,具体的に何をどうするのかと,これを県民に明らかにしなければなりません。また県民に,いつまで忍耐をお願いするのかということも明らかにしなければなりません。等々,この際,石井知事から行財政改革の真の意義を真剣に堂々と訴えてもらいたいのであります。 最後に,財政再建の打開策として,今までに借りている高い利率の県債の借りかえについて伺います。国では,旧国鉄債務の処理方策の一つとして,過去に借り入れた財政投融資について繰り上げ償還や民間の低利資金への借りかえなども求めていくとしてございます。本県でも,県債の借り入れ利率については,昭和55年度に借り入れた公庫資金は何と8.15%,政府資金で8%となってございます。しかし,昨今の低金利時代にあっては,平成8年度借り入れの公庫資金は2.65%,縁故資金は2.5%程度にすぎません。何とか,国に対して繰り上げ償還や民間の低利資金への借りかえを要望したいというのが人情であります。難しいという理屈は聞きますものの,例えば1兆円の借り入れ金利が仮に1%下がったとすれば,何と100億円軽減されるわけでありますから,さらに国を説得されたいのであります。知事のお考えを伺います。 次は,地方分権であります。 元来,民主主義の理念からすれば,国家あって地域社会があるのではなくて,地域社会あって国家が形成されておるはずであります。しかし,近代化を急いだ明治政府は,強力な中央集権のもと,いわば効率よく近代国家をつくり上げました。この意味では成功だったのであります。しかし,戦後の憲法や各種法体系は,必ずしも日本人自身が十分これを消化して制定されたものではありませんでした。その上,その後の社会経済状況の変化,例えば国際化や多様化,個性化,高齢化,少子化,情報化等に対して十分対応をすることができなくなっており,ここに至って,行政に大きな構造的な変革が求められてまいったのであります。国と地方のあり方等の変革が,地方分権ないしは地方主権の考え方であります。この意味で,行革の中心は地方分権と言っていいと思います。長野前知事は,連邦制理論を持論とされ,真の地方分権実現のために,全国知事会長として世論を引っ張ってこられたことは御承知のとおりでありますが,最近の世論は,ややトーンダウンをした感がございます。石井知事の,地方分権についての,いわば日本改造論とでも言うべきスケールの大きい考え方をこの際伺っておきたいと思うのであります。 また,これまでの地方分権推進委員会の第2次勧告などについての知事の感想はどのようなものであるか,これについても伺います。 さらに,分権推進に向けて,受け皿としての地方自治体側の問題もございます。つまり,市町村自体の自助努力と,これに対する県の支援という点であります。例えば,ごみ処理やし尿処理などは,広域的な事務処理がかなり今でも行われてございます。特に,財政的に弱小な自治体の場合は,事務事業の広域処理,地域連携が一層必要であり,さらにまた行政効率を考えれば,将来市町村合併さえ必要な場合も起こるのではないかと考えられます。このような状況に対し,合併支援や市町村が共同連携して行う広域的な事業に対し,県としても何らかの支援が必要と考えますが,石井知事の御所見を伺います。 次は,ソフト事業全般であります。 これまで行政施策として行われてきたソフト事業なるものの多くは,県民から見れば単なるイベントと同義語ではなかったかと思われるのであります。知事は,今般の女性副知事の起用に際して,「財政難だからこそ,ソフト施策に力を入れ,女性の感性を取り入れたい」と,その意義を強調されました。また,起用された太田副知事御自身も,「整備された基盤にソフトを加味して,効率的合理的にどう使うかが大切だ。この知恵出しが地域間競争の真髄だろう」と,こう述べておられます。けだし名言と考えますが,知事は,ソフト事業として具体的に何をどうやろうとされておるのか,県民にわかりやすく説明すべきだと考えますが,御所見を明らかにされたいのであります。 また,本県は,従来仕事師県であり,行革県と定評がございます。反面,従来から事業,特にソフト事業については,その効果が県民に理解されにくいという指摘もございました。これに対する評価システムが必要ではないかと考えられます。あわせて知事の御所見を伺います。 次は,少子・高齢社会への対応であります。国の研究機関では,国民3人に1人が高齢者となるような社会を想定してございます。しかし,県内では既に高齢化率が30%を超えておるところが,備中町を初め23の町村もございます。少子・高齢社会のイメージは,若者が少なく老人の多い停滞した社会であるとか,重税社会であるとか,そういう悲観論にあふれておりますけれども,しかし考えてみると,反面では,我々の経済的成功によってもたらされた長寿社会であるということも忘れてはなりません。この意味で,我々にとって怖いのは,高齢化ではなくてむしろ少子化だと,こういう言われ方もしております。施策の推進についても,高齢者施策の充実とともに,将来の経済社会の活性化等の面から,基本的には少子化対策に重点を置くべきであると,こういう論議もございます。これらの課題こそ,ソフト事業の最重要テーマと考えますが,知事は少子・高齢社会についてどのような認識と対策をお持ちであるのか,伺います。 次は,環境問題であります。 今日の産業の拡大は,いろいろな化学物質を生成させ,これが大量の廃棄物となって毎日排出されてございます。これらの中には,処理方法や毒性そのものがよくわからないものもございます。本県においても,これら化学物質による水や空気の汚染が心配されるところでありますが,その実態はどうか。 また,新たな危険に対する県内の情報収集や検査,監視体制は整備されておるのか,さらに汚染が発生した場合の対策などについて,まず知事に伺います。 次に,厚生省の方針では,ダイオキシン類の発生を抑制するため,ごみの焼却施設の大規模化ということを要請してございます。そして,その補助対象を1日処理能力が100トン以上の連続24時間焼却可能な全連続炉とし,さらに将来的にはこれを300トンにまで引き上げると,こう言ってございます。100トンのごみは約10万人の発生量に相当するそうでありますから,78もある県内の市町村の現状から考えますと,100トン規模でも集約化が大層困難でありますのに,さらに300トンということになりますと,人口規模で30万人でありますから,県北の津山ほか3つの地方振興局管内の人口全部に相当をするわけであります。また,住民の安全性に対する不安から,焼却施設の設置は今後ますます困難になると思われるのでありまして,ごみ処理の広域化をどのようにこれから図っていくのか,実現していくのか,これまた深刻な問題であります。知事の御所見を伺います。 最後に,水道水の安全対策であります。水道の水が,一時,昨年のO-157の発生源として疑われたことは記憶に新しいところであります。また,昨年6月でありますが,埼玉県の越生町で水道水中にクリプトスポリジウムという原虫が混入し,町の人口の六十数%もの方々が集団的に下痢などの感染症を引き起こしたという事件が発生いたしました。幸い死者は出ませんでしたけれども,水道の水の塩素消毒の効果がなかったわけであり,まことに恐ろしい話と言わなければなりません。 また,この事件を契機としまして,先日厚生省が行った全国の主要水道水源地域の水質調査では,本県の高梁川水系の小田川から病原性微生物ジアルジアというのが検出されてございます。化学物質による水汚染について,厚生省はWHO(世界保健機構)の水質基準の見直し作業にあわせ,本年8月に水道における未規制化学物質等調査研究班というのを設置し,実態調査や水道の水の水質基準等の見直しに入ったと聞いております。本県の水道の水の安全対策の現状,今後の水道事業者等への指導について知事に伺っておきます。 次は,基盤整備事業であります。目下,本県財政は未曾有の危機的状況と言われ,基盤整備は相当進んでおるという認識があるためか,事業の凍結や休止の話が絶えない状況にあります。もちろん,当面の財政再建は大いに推進をしなければなりません。しかしながら,21世紀に向けた「快適生活県・おかやま」の実現を目指して,真に必要な事業や緊急性の高い事業は,中期的にも積極的に進めていく必要と意義があるわけであります。そこで,本県の重要課題である基盤整備事業のうち,幾つかの事業について順次知事の所見を伺います。 まず,水資源対策であります。水の重要性,これは「万物の根源は水である」とか,あるいは「水を治めるものは天下を治める」と,こういう言葉で表現をされてございます。行政で言うところの治水,利水であります。苫田ダムは,治水,利水両面に効果のある多目的ダムとされ,かつ本県広域水道のための県下一円の基幹的な水源と位置づけられておるのでありますが,その重要性から「県政百年の大計だ」と,こうも言われております。しかしながら,平成10年度以降の国の予算確保については,公共事業を抑制するという国の方針であるために,工事の進捗状況が心配されるところであります。しかし,水は人と産業の基盤であり,水需要の増大に対する供給に支障があってはならぬのであります。本県の今後の水需要と供給の見通しについて,果たして狂いは生じないか,知事に御所見を伺います。 また,このダムは,いよいよ行政的には決着を見て,最終的なダム基本計画の見直しが近いと思われるのであります。その際,例えばダムの建設事業費の増加にスライドをして,利水参加市町村の負担もまたふえるわけでありますから,県や市町村は,これを見込んで資金手当などの準備が当然必要であると思います。財政面への影響はどうか,苫田ダムの基本計画見直しはいつなのかなどについて知事のお考えを伺っておきます。 次は,道路行政であります。県では,ネットワーク型県土の形成を目指して,IC30,AP60構想などの道路整備の指標を掲げて着々と整備が進められておるところであります。さて,その骨格をなす地域高規格道路として,岡山空港と中核拠点都市・津山市とを結ぶ空港津山道路別名津山岡山40分道路がございます。この路線は,県南北の時間短縮と空港への太いアクセスをなすものであります。これは,本県の均衡発展構造を構築するために欠くことのできないもので,その早期整備が強く望まれてございます。全国的に道路行政を取り巻く状況が厳しい中で,実はきのう津山市から中央町までの延長7キロの区間が調査区間として指定をされましたことは御同慶の至りであり,石井知事の御努力に敬意を表する次第であります。今後は,早期に整備区間への格上げが期待されるわけでありますが,知事の今後の取り組みと決意について伺っておきます。 次に,救急医療を含む高度医療体制の整備であります。去る6月10日,国立療養所津山病院の移譲について,関係4者の合意がなされ,ことし12月1日をもって財団法人津山慈風会に経営の移譲がなされることになりました。同時に発表された基本構想では,新病院が平成11年12月1日を目途に開設をされることも明らかにされたところであります。この新病院は,県北1市5郡で構成する県北地域医療推進対策協議会が策定をしましたところの県北地域の保健・福祉・医療の拠点づくり,新基本計画に基づくものであります。中でも,県北に特に必要な救命救急センターの早期開設が待たれてございます。生命の安全は,行政の最も基本的でかつ重要な目的であります。とりわけ,災害時や救急に際し,県民のだれもが等しく高度な救急医療を受けることができる体制の整備を図るということは,これは必要であります。県は,ライフサポート21構想を推進しておるのであります。県北の保健・福祉・医療の拠点づくりに対する支援は懸案でありまして,石井知事の公約でもありますが,この取り組みと支援について御決意を伺います。 次は,テクノポリス構想であります。現在,県においては,第2期吉備高原地域テクノポリス開発計画を見直し,新計画の策定に取り組んでおると聞いてございます。先行き不透明な経済情勢の中,新計画に寄せる期待は大きなものがございます。これまで,この構想の中で,岡山県新技術振興財団の設立や岡山県工業技術センター岡山リサーチパークなどの整備を進めてまいりました。本県の先端技術産業の育成強化の促進により,産業構造の高度化が図られたわけでありますが,さらに本県の産業を維持発展させるためには,次の世代を見据えた魅力のある計画づくりが望まれてございます。そこで,新計画の策定に当たって,吉備高原地域テクノポリス構想を今後どのように展開をされるのか,本県にどう生かしていくのか,知事のお考えを伺います。 次は,ハイテク工業団地構想であります。地域の経済の発展そして活性化のためには,雇用の場を確保し,その地域の人口の増加を図ることが最重要の課題であります。その方策の一つとして,地域への企業誘致,中でも工業団地への企業誘致が有効な手段と考えられます。 さて,景気の回復がおくれておる中で,現在新工場を建設しようと考えている企業は確かに多くはございません。しかし,その中でも,先端技術やベンチャー企業など,新しい産業を担う企業が比較的新工場建設の意欲が強い,そういう調査結果も出ております。そこで,景気が本格回復へ動き出すときのために,そうした意欲のある企業に対応できる特色のある新しい工業団地を今から考えておかなければなりません。新しい時代には,それに対応する新しい工業団地が必要であると考えますが,ハイテク工業団地構想について,これから先どう取り組んでいかれるのか,積極的に対応すべきだと思いますが,知事の御所見を伺います。 次は,ごみ問題であります。特に,産業廃棄物の最終処分場については,現在,公共関与の処分場として岡山地方振興局管内の牛窓町鹿忍地内の候補地で環境アセスメントなどの諸調査が実施されておりますが,事業の進捗状況が注目されておるところであります。この処分場は,本県での9つの地方振興局の最初のモデルであり,住民のよりよい協力を得るためにも,それにふさわしい安全への配慮等を行った事業推進が求められておるのであります。そこで,今後この事業をどのように進めていかれるか,まず知事に伺います。 また,住民の処分場の安全性に対する疑問や不安は非常に根強いものがございます。これにこたえるため,県としても公共関与の処分場での環境データの公表や問題が生じた場合の責任を明確に表明し,万全を期するべきであると考えますが,あわせて知事の御所見を伺います。 次に,下水道整備であります。 下水処理施設の整備は,河川,農業用水などの水質保全や,清潔で快適な生活環境を創出するために不可欠であります。県では,県下全域の下水を処理するため,公共下水道,農村下水道,合併処理浄化槽等の適切な普及を図るため,その指針としてクリーンライフ100構想を策定し,整備促進が図られておるところであります。しかしながら,事業着手が立ちおくれたこともあって,その整備率は依然低い水準にございます。この構想は「快適生活県・おかやま」の実現にとって重要な施策でありますが,目標値実現のための努力と,その見通しについてお伺いをいたします。 また,整備手法として,広域下水道の整備についてお尋ねをいたします。このほど,津山市と鏡野町,中央町,久米町の1市3町で広域的な下水道整備事業の取り組みがなされております。事業の効率化と関係市町村の負担の軽減を図るためにも,今後こういった広域下水道整備の推進がさらに必要であると思われますが,県としての今後の取り組み,その考え方について伺います。 次は,本県の地域特性に基づく諸問題についてお尋ねをいたします。 まず,岡山空港の国際航空路線の開拓であります。 先月,日中航空当局間協議で中国から岡山空港への定期便乗り入れが決定されたところであります。これは粘り強く要望を続けてきた成果であり,国際化を目指す本県にとってまことに喜ばしい限りであります。国際定期便は,中国便が就航すれば韓国ソウル便に次いで2番目となるわけでありますが,充実をした国際空港とするために一層の努力が必要と思われます。中国側の空港についてはまだ未定ですが,諸事情を勘案すれば,上海,広州など,経済開発区に指定された都市との空路開設が望ましいのではないかと思われます。これまでの県の行政と経済界が一体となって上海乗り入れを要望してきたところでありますが,その現状と今後の展望について知事に伺います。 さらに,先日,石井知事,大杉議長らがマレーシア便開設に向けて同国を訪問され,予想以上の成果があったと伺っております。来年4月からの岡山,新潟を結ぶ三角運航の可能性が高いということであり,二重に喜ばしいことであります。しかし,他方では,空港間での競争や航空会社の一層の採算性重視が言われてございます。本県にとって,岡山空港と国際貨物基地の関係事業量は,おおよそ1,000億円という本県最大のプロジェクト事業であり,投資に見合う具体的効果をどう上げるのか,さらに国際定期便をふやすためにどのような条件整備が必要であるのか等々について,現在国際チャーター便を運航しておるグアムなどの定期便運航の見通しとあわせて,知事の御所見を伺います。 次に,動燃人形峠事業所整理縮小問題等であります。動燃改革検討委員会の報告書によると,動燃を改組し,新法人を設立することや業務の縮小が提言されたところであります。そのため,人形峠事業所についても整理縮小する方針となっており,改革案では,ウラン濃縮研究開発は民間に全面的に技術移転し,現在運転中のウラン濃縮原型プラントは適切な過渡期間を置いて運転停止をするというものであります。これまで,地元上斎原村においては,過疎化が進む中にあって,財政,雇用としっかり結びついて40年,ともに歩んでまいったのであります。これから策定をされるところの業務縮小の具体的な計画に当たっては,地元の雇用の確保,そして地域振興対策を講ずるよう強く求めるものでありますが,知事のお考えを伺います。 また,国の防衛大綱の見直しにより,自衛隊日本原駐屯地の隊員が,平成6年の約300人に続いて,今般また約400人減員されると伺っております。このように,県北においては作陽音大の移転も含め厳しい状況下にあるわけでありまして,県北の地域振興について知事の御所見を伺っておきます。 次に,瀬戸大橋の料金問題であります。この問題については,去る8月5日,本四公団から建設大臣に対し,本州四国連絡道路の料金変更認可申請が行われました。それによると,早期に利用層を拡大し,その定着を図るため,当初の5年間に限り20%引きの特別料金が新たに設定されたところであります。これは,従来からの要望が受け入れられた結果であり,関係者の御努力に対し敬意を表するものであります。しかしながら,利用者や財界からはさらなる値下げ要望があり,依然割高感がございます。安い瀬戸大橋というイメージをつくり上げることが,結局,利用層の拡大を図り,結果的には得策と考えられるのでありますが,建設省へのさらなる値下げ要望をする必要があると考えますが,この取り組みについて知事に伺います。 ところで,本県の本四公団への出資金は,現在でも約260億円にも上っているのでありますが,有料道路の採算性を理由にさらに大幅な増額となると,県財政の厳しき折,県民の理解が得られにくいと思いますが,どのようなお考えなのか,伺います。 次に,倉敷チボリ公園であります。岡山市の市制100周年記念事業に端を発したチボリ公園事業は,場所を移し,倉敷チボリ公園として7月18日開園をいたしました。入園者数も100万人を既に突破し,1日最高5万人を記録するなど,まずは順調な滑り出しであり,まことに御同慶の至りであります。この管理運営に当たっては,平成6年2月の事業推進の枠組み及びその後の議会での議論の経緯を踏まえ,適切な支援を行うこととされてございます。この事業は,余暇時代における多様な県民ニーズに対応して,あるべき公共施設の概念や県の新しい役割とあり方を示したものと思われますが,倉敷チボリ公園に対する抱負や支援,また国際観光資源としての生かし方等について,知事の御所見を伺います。 次に,岡山国体の主会場問題であります。知事にお尋ねをいたします。国体主会場地は,既に2年前に正式に決定されているにもかかわらず,その変更論が現在盛んになってございます。その間の経緯については,知事も去る8月6日の定例記者会見で説明をされたところであります。そもそも,この主会場の立地については,チボリ公園のときと同様,岡山県が岡山市からの強い要請を受けて始まったことでありますが,いまだに費用負担割合など基本的な枠組みすら合意ができておらない状態にございます。加えて,県財政の窮迫状態,国体施設整備期限の切迫等,容易ならざる事態にございます。そういう重大な事情変更の中にあって,県行財政改革懇談会から既存施設の有効利用という観点からの事業見直しを求められているところでもあり,いずみ町の県総合グラウンドの改修による活用をも検討対象とせざるを得ないという状況になったことは理解できるのであります。しかし,そうは申しましても,予定地の住民には主会場建設のお墨つきを与えておきながら,さんざん待たせたあげく,突然別の場所も考えますというのでは,地元民ならずとも,この2年間は一体何だったのかという思いはぬぐえないのであります。もちろん,一般論で言えば,重大な事情変更によって従来の政策の変更を余儀なくされることはあり得ることでありますが,その調査検討対象の変更については広く県民へ,少なくとも地元住民へ条理を尽くすべき,これまた当然の理であります。ことここに至ったについては,岡山市の責任が極めて大なること申すまでもありませんが,知事御自身は,地元住民の戸惑いの声にどのようにお答えになるつもりか,お答えを願いたいのであります。 また,今後どのような検討を進めていかれるのでしょうか,その結果,最終結論はいつお出しになるつもりでしょうか,あわせてお聞かせ願いたいと思います。 次は,農林業問題についてであります。 端的に,本県の本年度の農業施策のうち,特に目立つものとして農業の6次産業化がございます。農業の6次産業化とは,つくるだけの農林水産業から,農林水産物の加工施設の整備や消費者への販売までのトータル化を行うことであります。何といっても一番のネックは,消費者であるお客をいかにつかむかということであります。この意味で,先般,県と関係団体で構成する「おかやま農林水産物販売促進協会」が設立をされましたが,具体的に結果を出すことが必要であります。これからの流通販売対策として,多品種少量生産時代に対応して,広く直接消費者へ販売できる直売や産地直送など多様なシステムをつくり上げることが最も重要であると考えます。この具体的な取り組みをどう成功させるかについて,知事の御所見を伺います。 次に,畜産の振興であります。現在,本県の牛,豚など,広く畜産が農業粗生産額に占める割合は約27%余りで,米に次いで第2位のウエートを占めてございます。肉用牛のうち和牛は,少なくとも昭和30年代の初めごろまでは本県が全国をリードしておったのであります。昭和41年10月には,第1回の全国和牛共進会があの津島の県総合グラウンドにおいて開催をされたほどでありました。また,乳牛も,明治40年ごろは全国屈指の乳牛育成県だったと言われてございます。戦後も,昭和25年には岡山種畜場で第1回乳牛共進会が開催され,翌26年以降,三木知事が「県北を乳の流れる里にする」との名言で,酪農振興に情熱を燃やされ,津山には県立酪農試験場を,蒜山には県立酪農大学校,現財団法人中国四国酪農大学校を設立され今日に至っております。また,長野前知事は,北海道に桜野牧場をつくり,立派な総合畜産センターも完成をされました。 以上のような歴史を見るとき,今日,岡山県の畜産はもっともっと栄えていいのではないか,そういう感を深くするのであります。石井知事のフレッシュな目でこの活性化にチャレンジされてはいかがか,提言をしたいのであります。御所見を伺います。 また,平成12年,次期本県開催が決定をされております全日本ホルスタイン共進会は,参加数が65万人とも言われる大規模な行事であり,いわば牛のオリンピックであります。本県は,これを積極的に誘致をした経緯からも,ぜひ成功させなければなりません。これによって,本県への最大のメリット,成果をどう引き出していくか,そのためにはどこを会場地とし,どういう運営をしたらよいのか,その成功のための諸準備は大丈夫かなどなど,この実行委員会の会長でもある知事に御所見を伺います。 3点目は,林業の振興についてお伺いいたします。我が国の林業,林産業は,他の第1次産業同様,労働力の減少,高齢化に加え,早くから国際化の波を受け,輸入木材が急増したことにより,木材価格が長期的に低迷をいたしております。さらに,最近では,非木質系資材との競争等により,一部を除いて極めて厳しい状況にあり,県内の製材事業も極めて深刻な経営状況に立ち至っております。これらの諸問題に対応し,産業として自立し得る林業,林産業の活性化を図るためには,県産材の需要拡大と,そしてとりわけ公共施設への利用ということが最も有効でありますが,その取り組みは十分とは言えません。現状と見通し,振興策について伺います。 次は,教育をめぐる諸問題について教育長にお尋ねをいたします。 まず,生と死を考える教育についてお尋ねします。神戸市の連続児童殺傷事件は大きな衝撃をもたらし,図らずも「中学生たちの今」をあぶり出しました。同世代の中学生からは,「僕らの世代ならあり得る」といった声も少なからず聞こえ,そこには今の子供たちの死生観がかいま見えるのであります。生きることの意味を理解し,自分をかわいがってくれた身内の死を体験した子供が,人の命を奪うようなことは決してしないはずでありますが,残念ながら,最近の子供は死を自分の問題として生々しく体験することが少なくなったと言われてございます。死の冷たさを知り,失われた者の重みに耐える体験がなくなった子供たちは,逆にテレビやマンガの残忍な死に引かれ,死を遊びに取り入れ,そのイメージは限りなく軽くなっておると思うのであります。命のとうとさ,自分の命も他人の命と同じように大事だということ,生きているものすべて命は大事だということ,それらを親は子に教えていかなければなりませんが,学校もまた決して無関係ではないはずです。人が生きることの重み,死の重みに切り込むような教育が今求められておると思いますが,いかがでしょうか。教育長の所感,そして学校現場でこの問題をどう教えておるのか,あるいは教えておらないのか,伺います。 次に,誇りと使命感を持たせる教育についてであります。今年度から使用されておる中学校の歴史教科書は,そのすべてが余りにも反日的であり自虐的であり,中学生はみずからの国の過去に対して憎悪の念を持つか,あるいは歴史の勉強に嫌気が差すかのどちらかでありましょう。現に,歴史の授業の前に,生徒たちが「また日本の悪口か」と言ったという話を聞き,考えさせられるのであります。「誇りを失った国家,民族は必ず滅亡する」,これが世界史の鉄則であります。戦後日本の教育は,我が国の歴史を屈辱の歴史であるとし,それに対する誇りを失わせることに狂奔し,それが極限に達したのがあの従軍慰安婦の問題でありました。自国の歴史に誇りを持たず,どうして,国際社会の中で日本人としての自覚を持って我が国の文化と伝統を大切にするような人間を育成することができるのでありましょうか。愛する人のため,家族のため,国のために戦い,酷暑の南の島や極寒のシベリアなどで死んでいった人々は,今の歴史教科書で学習する中学生にとっては自分のおじいさん,ひいおじいさん,そしてその戦友たちであります。自分につながるこの人たちに,ありとあらゆる罪を着せ,世界じゅうから軽べつされるように仕組み,自分だけが正義の代表のような顔をしている人たちのその精神の卑しさに,心底怒りを覚えるものであります。このような歴史教科書では,決して日本に誇りが持てず,自虐的,偽善的,独善的な態度からは,真に社会的公共的使命感を持った人間が育つとは思われません。教育長は,誇りと使命感を持たせる教育をいかに進めていこうとしておられるのでしょうか,お聞かせを願います。 次は,高校生に対する「オートバイの免許を取らない,運転しない,持たない」,この「三ない運動」の見直しについてであります。この運動は,事故減少への一定の評価はあるものの,一方,法律で認めておる免許を取らせないことへの疑問や禁止するだけで安全教育から逃げているという批判もあるやに伺っております。神奈川県では,既にこの看板をおろし,免許取得を認めた上で安全教育を充実させようとする運動に方向転換して,その効果を上げておるようであります。高校生がオートバイに乗りたいと思うのは,本来自然なことであります。ただ単にオートバイを取り上げるというような規制的な指導ではなくて,乗せて指導するという教育的な指導への転換が必要ではないかと思いますし,もうそろそろその反省期になっておる,そう思われるのでありますが,教育長の御所見をお聞かせ願います。 最後に,警察をめぐる諸問題について,警察本部長に伺います。 初めに,国際化社会における新しいタイプの犯罪であります。近年,社会のあらゆる分野で国際化が急激に進展をし,人も物も情報もあらゆるものが世界を駆けめぐる時代を迎えてございます。ところで,最近のマスコミ報道を見ますと,来日外国人による犯罪が全国的に増加しており,特に,外国人犯罪組織による集団密航の手引きやプリペイドカードの偽造,窃盗事件等が発生し,覚せい剤など薬物事犯にも関与しておることがうかがわれます。そこで,県内における来日外国人犯罪の実態はどうなのか,またそうした実態を踏まえてどのような対策を講じておられるのか,お尋ねをいたします。 次に,コンピューター犯罪であります。近年のコンピューターの一般家庭への急速な普及に伴い,コンピューター犯罪が懸念されておるのであります。コンピューター犯罪は,従来のシステム破壊などから,最近ではインターネットの普及により,クレジットカード番号やパスワード,電話番号などの個人情報を盗んで他人に成り済まして品物を注文したり,品物を売ると偽って金だけ集め,ネットワーク上で詐欺をするとか,ホームページを利用してわいせつ画像を掲載したり,薬物の取り引きをしておると言われております。警察庁の調査では,日本国内でインターネット上に開設したホームページは40万件にも及んでおると言われており,今後ますます増加するものと思われます。そこで,こうした新しい犯罪に対してどのように取り組まれておるのか,県警本部長に伺います。 次は,少年犯罪であります。先ごろまとめられた全国の今年上半期の少年非行の概要を見ますと,補導された刑法犯の少年は何と6万9,646人であります。前年同期比で20.5%も増加をしております。少年人口の減少にもかかわらず,過去7年間で最悪を記録をしておるわけであります。特に,殺人,強盗などの凶悪犯の増加が目立ち,実に59%も増加をしておるのであります。この状態が続けば,戦後少年犯罪史上で第4の上昇期を迎えることになると危惧されておるのであります。また,最近の傾向としては,「おやじ狩り」などに見られるような強盗事件や集団リンチ事件など,事件そのものが凶悪化し,さらに非行歴のない少年による「いきなり型」の犯罪の増加もその特徴となってございます。 このように,全国的に少年犯罪は増加し,凶悪化し,深刻な事態となっておりますが,本県においても同様な傾向が見られると伺っております。そこで,県内における少年犯罪の実態はどうなのか,また今後どのような少年犯罪防止対策を講じようとされておるのか,お尋ねをいたします。 また,少年非行の一つとして暴走族の問題がありますが,県下のその実態と対策についても,警察本部長にお尋ねをいたします。 なお,広義の少年犯罪の問題は,基本的には教育の問題でありますから,あわせて教育長の答弁も求めます。 以上,県政の当面する重要課題について取り上げてまいりましたが,時間の制約もございますので,あとは一般質問にゆだねることといたしまして,私の自由民主党県議団を代表しての質問とさせていただきます。 御清聴をありがとうございました。 ○議長(大杉尚久君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  自由民主党の桑山議員の代表質問に対しまして,順次お答えをいたします。 まず最初に,行財政の問題についてであります。 行革の基本理念についてでございますけれども,行財政改革はその推進に種々の困難を伴うところでありますが,来るべき21世紀に向かって飛躍する岡山県を築くためには,いたずらに消極的になったり,あるいは活力が低下することなく,未来を志向した行財政改革を断行する必要があると考えております。こうしたことから,行財政改革を進めるに当たっては,事務事業の徹底した見直しを行うとともに,将来の岡山県のために真に必要な施策に重点化を図るなど,めり張りをつけることが必要である,このように考えております。現在,行財政改革懇談会において,行財政改革の方策について,10月の答申に向け精力的に御検討をいただいているところであります。答申では,分野ごとに期間を定めて具体的な数値目標が設定されることとなっておりまして,財政の健全化や職員定数の計画的削減,新たな行政課題に柔軟に対応できるスリムな組織への改革,民間委託の推進など,答申を踏まえ,議会の皆様方とも十分協議をしながら,不退転の決意で行財政改革に取り組んでまいりたいと考えております。議会の皆様方を初め,県民各位に格別の御理解と御協力をお願いを申し上げる次第であります。 具体的な御質問になりますけれども,県債の借りかえ問題でありますが,県債残高のうち利率の高いもの,例えば7%を超えるものを見てみますと,これは全体の4%程度でありまして,大部分が政府資金,公庫資金であります。その借りかえにつきましては,制度上認められていないことから大変厳しい状況にありますが,中国各県とも連携をして,私自身,中国知事会として要望をしてきているところでございます。今後とも,努力をしてまいりたいと考えております。 なお,銀行縁故資金につきましては,8年度許可債のうち一部の起債について償還期間を10年から15年に延長するなど,公債費負担の軽減に努めているところでありまして,また起債制限比率の抑制という観点からも,借りかえあるいは繰り上げ償還につきましても引き続き努力をしてまいりたいと考えております。 次に,地方分権についてであります。 地方分権の考え方についてでありますけれども,地方分権は,明治維新あるいは戦後の改革にも匹敵する改革でありまして,早期に分権型社会が到来することを望んでいるところであります。地方分権は,単なる権限移譲だけではなくて,地域の創意と工夫によって,地域のことは地域みずからが決めていく,こういうボトムアップ型の行政システムを構築をすることでありまして,全国知事会等を通じてその実現方を国等に強く働きかけをしてまいりたいと考えております。 第2次勧告などの感想についてでありますが,これらの勧告は,国と地方を対等,協力の関係ととらえて,組織や職の設置に関する必置規制の廃止,緩和が打ち出されており,税財政面での具体性には欠ける点はあるものの,全体としては評価すべきものであると考えております。今後,最終勧告を経て,いよいよ国の地方分権推進計画が策定されることとなるわけでありますが,これらへ地方の声が十分反映されますとともに,分権型社会の実現に向けて,実効ある政策が実施されますように期待をしているところであります。 合併支援等についてでありますが,増大する市町村に対する行政需要や住民の日常生活,経済活動の広域化に対応するため,行財政能力の向上あるいは効率的な行政体制の整備が重要となっており,市町村合併や事務事業の広域処理等が必要であると考えております。県といたしましては,市町村の自主的な合併や広域処理を促進をしていくために,合併等に関する各種情報を周知するとともに,住民の合併機運の盛り上がりや市町村の事務事業の広域化を促進するための具体的な支援策等についても今後検討してまいりたいと考えております。 次に,ソフト事業についてのお尋ねでございますが,まずソフト事業の取り組みについてでありますが,これからの成熟社会にあっては,生活の質的な充実を図るとともに,これまでの基盤を生かすためのソフト事業がより重視されなければならないと考えております。特に,人と人,人と自然が共生する社会システム,この構築が重要でありまして,例えば,地域がともに支え合う高齢者の介護システムの整備であるとか,あるいは男女共同参画社会の実現,また自然や環境の保全など,こういった施策を進めていく必要があると考えております。また,広域交通網を活用した効率的な物流システム,あるいは広域観光ネットワークの形成,さらには各種拠点施設の有効活用など,ソフト面の充実を図っていかなければなりません。これらソフト事業を進めるに当たりましては,行政だけではなく民間団体やボランティアなど幅広い取り組みが重要であり,今後,一体となって推進をしてまいりたいと考えております。 そのソフト事業について,評価システムについてのお尋ねがございましたが,特にイベント等のソフト事業については,予算編成過程においてそれぞれこれまでの成果であるとか,あるいは費用対効果などを検証しつつ,今後の事業実施のあり方等を検討をしているところであります。今後,厳しい財政状況をも勘案し,21世紀へ向けた「快適生活県・おかやま」づくりのために真に必要な事業に重点化をしていく必要がありますが,御指摘のようにかけた費用に対しての成果など,わかりやすい尺度で十分分析を行うことは,これは大変重要なことであると考えておりまして,御提案の点につきましても今後前向きに検討をさせていただきたいと考えております。 少子・高齢化対策についてでありますが,少子化は,子供の自主性あるいは社会性を育てにくくするとともに,若年層の減少によりまして社会全体の活力を低下させるなどさまざまな影響が懸念され,将来にかかわる重要な問題であると認識をしております。子供を産むか産まないかは,これは基本的には個人の問題ではありますが,子供を持ちたい人が安心して出産育児ができるように,子育てへの機運が醸成されますように,育児休業制度の普及であるとか,あるいは保育サービスの充実,母子保健医療体制の整備,あるいは地域における子育てネットワークづくりなど,社会的条件の整備を進めなければならないと考えております。また,高齢社会への対応も重要な課題でありまして,今後とも,岡山県高齢者保健福祉計画に基づきまして,在宅福祉サービスの充実,老人保健・福祉施設の整備やマンパワーの養成・確保などの諸施策を推進し,高齢者が住みなれた家庭や地域で安心して暮らすことができる社会システムの構築に努めてまいりたいと考えております。 環境問題でございますが,有害物質による水質及び大気の状況については,水質は県下210地点でカドミウム等80物質,大気は23地点で水銀等8物質の環境調査を実施しておりまして,現段階で明らかにされている環境基準等に照らしますと,特に環境保全上支障となるレベルではないと,このように考えております。また,平成9年4月から,新たにダイオキシン等の22種類の有害大気汚染物質について,国,岡山市及び倉敷市と連携を図りながら環境調査に今取り組んでいるところであります。 監視体制等につきましては,国等の動向にも留意をし,最新情報の収集に努めるとともに,有害物質の分析機器等の整備,拡充も図っているところであります。また,汚染が発生した場合の対策についてでありますが,健康への影響が懸念される前に対策を講じることが重要であると考えておりまして,汚染が発生した時点で早急にその原因の究明に努め,排出抑制,その他必要な改善措置を講じてまいりたいと考えております。 ダイオキシン対策については,御指摘がありましたとおりダイオキシン類の削減や最終処分場の確保難などに対処するため,先般,国からごみ処理の広域化を図るよう指示があったところであります。このため,本県でも今年度中を目途にして,市町村の意向を十分取り入れながら,広域化ブロック割りあるいは施設整備計画等を盛り込んだごみ処理広域化計画,こういう計画を策定したいと考えております。今後,この計画に基づきまして,各ブロック内におけるごみ処理施設などの整備が円滑に行われますように,市町村間の調整,指導に努めてまいりたいと考えております。 水道水の安全対策については,各水道事業者において日々の維持管理と定期的な水質検査を行い,安全を確認しているところであります。また,クリプトスポリジウムやジアルジア等の病原性微生物については,水道事業者と連携して実態調査を実施するとともに,国が策定した指針に基づき水質管理を徹底するよう指導しています。さらに,未規制化学物質については,国の動向を注視しながら適切に対応をしたいと考えております。今後とも,安全で信頼性の高い水道水を確保するよう水道事業者を指導してまいります。 次に,基盤整備事業についての種々のお尋ねがございました。 まず,水資源対策についてでありますが,今後の水の需要は,生活水準の向上あるいは社会経済活動の進展に伴って,引き続き相当の増加が見込まれ,水の供給に支障が生じないよう新たな水資源の開発を図る必要があると考えております。特に,質問にございました苫田ダムは,将来の水の安定的な供給のため欠かせない重要なダムであり,国の方におかれましても,治水,利水の両面から推進を図る必要があるとされております。そうしたことから,今後とも必要な予算が確保されると考えておりますが,早期完成に向けて強く働きかけをしてまいりたいと考えております。 苫田ダム建設事業費の利水者負担につきましては,岡山県広域水道企業団を通じまして水量割合に応じた負担を行っているところであります。苫田ダム建設に関する基本計画については,今年度中に国において見直しがなされると聞いておりまして,その中で建設事業費が増加することとなれば,県や利水参加市町村の財政運営にできるだけ支障が出ないように,コストの縮減あるいは事業費の平準化等について要望するなど,今後適切に対応をしてまいりたいと考えております。 次に,空港津山道路についてでありますが,御質問にもございましたが,昨日,津山市から中央町間の7キロメートルが調査区間に指定をされたところでありまして,県議会を初め地元関係各位の御尽力に対しまして敬意を表する次第でございます。今後,建設省において,ルート選定,インターチェンジの構造検討,アクセス道路の整備計画との調整等を実施することとなりますが,県といたしましても,地元市町と連携を図り,これらの調査が円滑に進められるようできる限りの協力をし,来年度から始まります新道路整備五箇年計画の期間内に整備区間に格上げがされて,早期に整備に着手ができますように,建設省に対しまして今後強力に要望をしてまいりたいと考えております。 次に,ライフサポート21構想でありますが,この構想の推進につきましては,県民が等しく高度な救急医療を受けられるよう,災害・救急医療情報システムの導入や,あるいはヘリコプター搬送体制の整備などに本年度取り組んでいるところであります。特に,県北部については,財団法人津山慈風会国立療養所津山病院の経営移譲を受け,救命救急センターを含む高機能病院を平成11年12月を目途に整備することとしておりまして,県といたしましても,大変厳しい財政状況にはございますが,各種補助金の導入を図るなど必要な支援を行って,県北の保健・医療・福祉の充実に努めてまいりたいと考えております。 テクノポリス構想についてでありますが,計画対象地域ではインフラ整備が着実に進展をするとともに,企業立地についても相当の成果を上げてきているところであります。近年の経済のグローバル化に伴い,今後とも,産業構造の高度化を図る必要があることから,第3期テクノポリス開発計画につきましては,外資系も含めた先端的企業の誘致の推進,産・学・官の連携による研究開発を通じた医療・福祉,環境関連など新産業の育成,さらには高度技術産業を支える基盤技術の振興などを基本として策定し,その効果が県内産業の活性化に寄与するように努めてまいりたいと考えております。 ハイテク工業団地構想についてでありますが,企業立地の地域間競争が高まりつつある中で,本県への企業誘致を促進するためには,交通の利便性などに加え,魅力ある工業団地を整備することが重要であります。このため,新しい工業団地整備に当たっては,徹底した環境対策を施した環境共生型あるいは物流対応型,地域活性型など,幾つかの特色ある工業団地の調査,検討を行ったところであります。お尋ねのハイテク工業団地の整備については,既存団地の分譲見通しあるいは景気の動向等を見きわめるとともに,これは最も重要な要素でありますが,採算性なども勘案をしながら,今後十分検討し取り組んでまいりたいと考えております。 ごみ問題でございます。牛窓町鹿忍地内の公共関与最終処分場につきましては,8月末までに環境アセスメントの現地調査が終了したところであり,現在,環境にどのような影響を及ぼすかの予測,評価の作業を進めているところであります。今後,これらの取りまとめを行い,地元説明会などを通じまして安全性や事業の必要性を十分に周知し,牛窓町及び関係住民の方々の御理解と御協力のもとに進めてまいりたいと考えております。また,公共関与処分場は,県が最終的に責任を持つ処分場でありまして,建設,運営に当たっては,牛窓町と環境保全協定を締結し,各種データの公表も行うとともに,環境汚染が生じないよう万全の対策を講じてまいりたいと考えております。なお,災害等により万一事故が発生した場合には,当然のことながら県も責任を持って対処してまいりたいと考えているところであります。 下水道整備でございますが,クリーンライフ100構想の推進状況についてでありますが,平成12年度末の整備率53%を目標として,下水道,集落排水,合併処理浄化槽等下水処理施設の整備を推進しております。県といたしましては,児島湖流域下水道の推進はもとより,公共下水道についても県費の補助対象期間を5年から7年に延長するなど市町村支援を実施しておりまして,厳しい財政状況の中ではございますが,目標の達成に向けて今後とも努力をしてまいりたいと考えております。 広域下水道整備についてでありますが,効率的な下水道整備を行うための有効な整備手法の一つであると考えております。現在,津山市と周辺の3町や,倉敷市と船穂町など6地域でその取り組みが進められているところであります。県といたしましては,広域下水道を推進するため,広域下水道に加わり自前の処理場が不要となった市町村も補助対象とするなど制度の拡大を図ったところでありまして,今後とも,広域的な取り組みが円滑に推進されますように,市町村を支援してまいりたいと考えております。 次に,本県の地域特性に基づく諸問題についてであります。 まず,岡山空港でありますが,8月の日中航空交渉で中国-岡山間の定期航空路線の開設が合意され,現在,具体的な路線,運航する航空会社等について,中国の関係機関で検討がなされております。県といたしましては,これまでプログラムチャーター便の運航による実績づくりを行ってきておりまして,県内企業の進出も多く,新たに海外事務所を開設する予定の上海との路線を希望しております。先般,9月3日から5日まで,副議長を団長に,県,県議会,経済界,旅行業界の代表の方々が,上海,北京を訪問し要請をされたところであり,関係機関からは前向きな発言をいただいております。今後とも,県議会や経済界等,関係の皆様方の御協力をいただきながら,早期に上海路線が決定され,運航開始されますように努力してまいりたいと考えております。 岡山空港では,滑走路の3,000メートルへの延長や貨物ターミナルの整備を進めており,こうした基盤整備を生かすべく,県議会や経済界の協力を得ながら,国際定期路線の拡充及び貨物専用便の運航促進に取り組んでおります。路線の拡充に当たっては,CIQ業務体制の一層の整備充実はもとより,高速道路の結節点に位置する利点を生かしながら,広域的なエリアからの岡山空港利用を促進することが必要と考えております。マレーシアとの路線につきましては,先月マハティール首相やマレーシア航空のラムリ会長等を訪問し要請した際,「前向きに検討したい」とのよい感触を得ました。また,グアムについても,ことしの夏プログラムチャーター便を運航し,実績づくりに努めております。今後とも,これらアジア・太平洋地域との国際路線の開設に積極的に取り組み,西日本の拠点空港,国際航空貨物基地を目指してまいりたいと考えております。 動燃の改革に係る人形峠事業所の整理縮小問題についてでありますが,国においては,一定の過渡期間をおいてプラントの運転を停止し,整理する方針であり,地元上斎原や周辺地域の雇用などに重大な影響を及ぼすものと憂慮いたしております。その具体的な内容については明らかではありませんが,既に地元と一体となって,雇用の確保と地域振興に万全の措置を講ずるよう,国及び動燃に対して要望をしているところでありますが,今後とも,その動向を見ながら強く働きかけをしてまいりたいと考えております。 次に,県北地域全体の振興策でありますけれども,広域交通網や豊かな自然環境を生かし,心豊かな生活文化圏づくりを進めることが重要であると考えております。そのためには,県南地域との交流に欠かせない幹線道路の整備を初め,津山市など市街地の整備あるいは福祉・医療などの拠点機能の充実に努めて,その効果を周辺市町村に波及させながら,圏域の一体的な振興を図っていく必要があります。また,高速道路網を生かして,県北流通センターや,あるいは工業団地への企業誘致を促進するとともに,地域資源を生かした新たな産業の創出や中山間地域の農林業の振興を図らなければならないと考えております。さらに,これまで整備をしてまいりました各種の交流拠点施設を活用することによって,交流人口の増加を図ることも大切であります。厳しい財政環境の中ではありますが,市町村,地域住民の方々と手を携え,知恵を出し合いながら,今後とも県北地域の振興に努力をしてまいりたいと考えております。 瀬戸大橋の料金問題についてでありますが,今回,本四公団から建設省へ提出されました料金変更認可申請には,基本料金の引き下げに加えまして,利用促進の特別の措置として,当初の5年間に限り,さらに20%引きの特別料金の設定が盛り込まれたところであります。しかしながら,この新たな料金でも,利用者の間では依然として割高感が残っていることは承知をしておりまして,今後とも,利用しやすい料金となるよう引き続き関係機関に要望してまいりたいと考えております。 そういった中で,道路審議会の中間答申に,地域交流と利用促進のための新たな割引措置が盛り込まれているところから,例えば,瀬戸大橋開通10周年を記念するイベント割引とか,あるいは倉敷チボリ公園と連携した割引とか,あるいは神戸・鳴門ルートとの周遊割引など,こういったものを幅広く検討をして,その実現方,国,本四公団の方に強く働きかけをしてまいりたいと考えております。 本四公団への出資金についてでありますが,平成10年度の国への概算要求として,総額800億円の出資金が計上をされておりますが,これは,金利や交通量の変動を見直して,公団の採算性を確保し,借入金の着実な償還を可能にするために必要なものというふうにお伺いをしております。県といたしましては,大幅な通行料金の値下げが実現される見通しとなっておりまして,この新しい料金体系のもとで,瀬戸大橋を利用した中四国の広域的な交流を促進するためには,本県と,共同出資者であります国や関係の府県,市と相協力をして,瀬戸大橋の採算性の向上を図ることが必要というふうに考えておるわけであります。このため,具体的な出資額につきましては,今後,本四公団の方から協議があると思っておりますけれども,その際には,財政状況は大変厳しい折ではございますけれども,ある程度の出資の増額には応じざるを得ないものと考えておるところであります。 倉敷チボリ公園でございますが,開園以来,既に100万人以上の方々が訪れ,高い評価をいただいており,非常に喜ばしいことと考えております。今後は,岡山県のかけがえのない財産として,末永く県内外の人々に親しまれ,発展させていくことが重要であると考えておりまして,そのための一層の経営努力,そして適切な支援が必要であると考えております。また,この公園を国際的な観光資源として生かすことも重要であり,今後,特にアジア諸国をターゲットにして,国際航空路線の開拓などにあわせ,PRに努めて海外からの観光客の誘致を図ってまいりたいと考えております。 岡山国体の主会場問題についてでありますが,県議会を初め県民の皆様,とりわけ地元の皆様方には大変御心配をおかけしているところであります。秋季大会の主会場整備につきましては,岡山市との協議の状況や現下の危機的な財政状況,行財政改革懇談会の意見,あるいは各界からの要望等を総合的に勘案をいたしまして,古都南方・下地区でさらに計画の絞り込みを行うとともに,いずみ町の総合グラウンドでの主会場整備の可能性を調査研究することとしたものでありますので,御理解を賜りたいと存じます。 今後,古都南方・下地区については,国体に必要な最小限の施設への絞り込みや造成方法,進入路等の再検討を行うこととしております。また,総合グラウンドにつきましては,埋蔵文化財に配慮する必要があることから,専門家による検討委員会を設け,陸上競技場の改修の可能性について検討を行うこととして,現在,その委員会の人選を急いでいるところであります。 いずれにいたしましても,今後,状況に応じ,地元の皆様や関係の皆様方に情報提供をしながら早急に方向を見出すとともに,財政危機のもとではありますが,岡山国体の成功に向けて,今後とも全力を傾注してまいりたいと考えております。 農林業をめぐる諸問題についてでございます。 農林水産物の販売対策については,先般,農林漁業団体と一体となって「おかやま農林水産物販売促進協会」を成立し,県産農林水産物のイメージ統一や各種広報媒体による総合的なPRを展開しているところであります。今後は,協会の事業として,「おかやまふるさと旬の味直送便」事業を実施するほか,アンテナショップやインターネットを活用するなど,多品種少量生産時代に対応した多様な販売システムを確立することとしております。さらに,県や農林漁業団体の職員全員がセールスマンであるという気概を持って,みずからPR活動を展開するほか,県人会等の方々にもPR活動の一翼を担ってもらう等,より一層効果的な販売促進活動を推進してまいりたいと考えております。 畜産振興は,農畜産物の輸入自由化や環境問題等厳しい状況の中にあって,高品質な畜産物の安定供給や中山間地域の活性化を図る上から極めて重要であると考えております。このため,国際化に対応した低コスト生産を基本とし,飼料生産基盤の整備や,あるいは規模拡大による企業的な畜産農家を育成するほか,地域特産物としての乳肉加工品づくり,さらには集出荷施設の整備等による流通販売体制の確立などを図るとともに,新たに肥育素牛の地域内保留による繁殖と肥育の一貫生産の推進にも取り組むなど,収益性の高い魅力ある畜産経営の実現に努力をしてまいりたいと考えております。 全日本ホルスタイン共進会については,本年5月,関係45団体により岡山県実行委員会を設立し,乳用牛の改良はもとより,消費者との触れ合いを大切にした酪農の総合的祭典とすることを決定したところでありまして,会場選定についても,こうした方針を踏まえながら,現在,選定委員会において御審議をいただいているところであります。 いずれにいたしましても,「晴れの国・おかやま」をPRする絶好の機会と考えておりまして,今後,実行委員会において酪農活性化の起爆剤とすることはもちろん,広く本県の産業,文化,観光等を紹介する県民挙げての祭典となるように検討を重ね,諸準備を進めてまいりたいと考えております。 最後に,公共施設への県産材利用についてでありますが,岡山県木材需要拡大推進会議の開催や,県産材利用拡大事業等を活用して推進してきたところでありまして,公共施設等における使用実績を見ますと,平成8年度604件と前年度対比18件の増加となっておりまして,近年,漸増傾向にあるわけでございます。 今後の見通しについてでありますが,全体的に公共事業費が抑制される中ではありますが,教育・福祉施設等の木造化の取り組みあるいは公共事業への間伐材の用途開発を行うなど,今後とも,公共施設への木材利用を積極的に推進してまいりたいと考えております。また,国に対しましても,木造建築制限の緩和等を引き続き要望し,木材の需要の拡大に努めてまいりたいと考えているところであります。 以上であります。 ○議長(大杉尚久君)  教育長黒瀬定生君。   〔 教育長 黒瀬定生君 登壇 〕 ◎教育長(黒瀬定生君)  自民党桑山議員の代表質問にお答えいたします。 まず,生と死を考える教育についてでございますが,最近の子供たちは,社会の急速な変化の中で,生活体験,社会体験などが少なくなり,人間関係が希薄化したり社会性が不足したり,生や死を身近な問題として考える機会が少なくなっていると受けとめております。こうしたことから,体験的な活動などを通して,生命を尊重する心,他人を思いやる心など,豊かな心をはぐくむ教育を一層充実していくことが必要であると考えております。現在,学校では,道徳の時間に生命がかけがえのないものであることを指導したり,特別活動で動植物の飼育・栽培や福祉施設への訪問などの体験的な活動を実施いたしまして,心の教育の充実に努めているところでございます。また,こうした豊かな心を育てるためには,幼児期からさまざまな体験を通して心身の調和のとれた発達の基礎を育成する家庭教育の果たす役割が特に大きく,今後とも,その充実に努めてまいりたいと考えております。 次に,誇りと使命感を持たせる教育についてでございますが,教科書は,国の教科用図書検定調査審議会において検討をされ,文部大臣が検定したものでございます。中学校社会科の歴史の指導に当たっては,学習指導要領のねらいに沿って,国際的な視野に立ち,我が国の歴史や伝統文化を理解させ,国民としての自覚を育てるとともに,歴史的事象を多角的に考察し,公正に判断する能力と態度を育成しているところでございます。次代を担う子供たちに,我が国や郷土を愛する心を育てることは大切なことでございまして,現在,中学校の社会科や道徳などでは,我が国や郷土の歴史,伝統文化,先人の努力などを学習して,誇りと使命感を持たせる教育に取り組んでいるところでございます。今後とも,子供の発達段階に応じた,こうした教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に,「三ない運動」の見直しについてでございますが,この運動を始めた高等学校PTA連合会では「三ない運動」の継続が望ましいとしておりますが,保護者の意向や地域の実態により,多くの学校で,一定の条件のもとに免許取得を認めるなど,現実的な対応を行っているところでございます。お話の乗せて指導することの実現には,学校,家庭や地域の関係機関・団体等が,車社会の一員としての自覚を持って行動できる高校生を育成するという共通認識に立つことが必要であると考えておりまして,今後の課題として検討してまいりたいと考えておりますので,御理解願いたいと思います。 最後に,少年犯罪等についてでございますが,岡山県内における平成9年上半期の少年の補導件数が増加し,中でも暴走族や凶悪な犯罪が増加していることに大変憂慮しているところでございます。この問題の解決に当たりまして,学校におきましては,さまざまな機会をとらえ,子供たちに社会的なルールを守る態度や正義を貫く態度などを培う教育に努めているところでございます。同時に,家庭でのしつけや地域でのさまざまな社会体験を通して,公徳心などを育てていくことが必要であると考えております。今後とも,学校と家庭,地域社会,関係機関と連携しながら,取り組みの充実を一層図ってまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(大杉尚久君)  警察本部長三谷秀史君。   〔 警察本部長 三谷秀史君 登壇 〕 ◎警察本部長(三谷秀史君)  桑山議員の自由民主党代表質問にお答えいたします。 まず,来日外国人犯罪についてでございますが,御指摘のとおり,近年全国的に来日外国人による犯罪が増加するとともに,組織化,悪質化,地方分散化などの傾向を強めており,大きな治安上の問題となっているところでございます。 県内の実態につきましては,その特徴として3点を上げさせていただきたいと存じます。 その1つは,県内におきましても,密入国の危険性が増大しているということであります。従来は,九州や日本海沿岸から上陸した密航者が県内に潜入・潜伏するという事例が多かったのでありますが,昨年,水島でも,上陸しようとした密航者が検挙されておりまして,今や瀬戸内海沿岸に位置する本県におきましても警戒が必要な情勢にございます。 その2つ目は,不法滞在者が増加傾向にあるということであります。検挙事例を見ましても,不法滞在者は確実に増加しておりまして,しかも,都市部のみならず,県内のあらゆる地域に潜伏しておりまして,その業種も風俗営業,建設業,露天商など,さまざまな仕事に従事しておる実態でございます。 その3つ目は,県内においても外国人犯罪組織の暗躍が認められるということであります。岡山市内におきましては,組織的な犯行と思われる大型衣料品店あるいは宝石店被害の多額窃盗事件が昨年以降既に数件発生しておりまして,今後とも,十分警戒を要する情勢にございます。 このため,県警察では,本年4月以降に本部と各警察署に来日外国人犯罪対策室を設置いたしますとともに,県下各地で現在設立が進められております国際化対策連絡協議会などの皆様方の御協力をいただきながら,犯罪の摘発と善良な外国人の皆さんに対する支援活動,この2つを車の両輪といたしました総合対策に取り組んでいるところでございます。 まず,摘発の面では,組織犯罪,密入国,不法滞在などを重点にいたしまして,強力に取り締まりを実施中でございまして,本年上半期では,昨年同期の3倍以上に当たります107件82人を摘発したところであります。一方で,正規に入国した善良な外国の方々が交通事故などの被害に遭う事案も増加しておりますので,交通安全教室を開催するなど,支援活動にも取り組んでいるところであります。県警といたしましては,今後ともこうした来日外国人総合対策を強力に推進いたしまして,県民生活の安全と平穏の維持に努めますとともに,本県の国際化に積極的に寄与してまいる所存でありますので,何とぞ御支援を賜りたいと存じます。 次に,コンピューター犯罪に対する県警の取り組みについてでございます。御指摘のように,近年コンピューターの急速な普及に伴いまして,全国的にそのシステムの機能を阻害しあるいはこれを不正に使用したところのコンピューター犯罪,あるいはネットワークを犯罪の手段として用いるいわゆるネットワーク利用犯罪が増加いたしております。県内の例を挙げさせていただきますと,平成6年3月でございますが,コンピューター端末を操作いたしまして架空の電話加入権をつくり上げ,電話取引業者に売却しておりました会社員を電磁的記録不正作出及び背任罪で検挙しておりますほか,本年6月には,倉敷市内の男性などがインターネットを悪用してわいせつ画像を不特定多数の者に有料送信していた,わいせつ図画公然陳列などのネットワーク利用犯罪も摘発しておるところでございます。この種事犯は,将来に向けまして一層増加し,ますます悪質巧妙化することが予想されます。このため,これら犯罪に的確に対応いたしますため,県警といたしましては本年4月,専門的知識,技能を備えた職員を選抜いたしましてプロジェクトチームを編成し,捜査体制を強化しましたほか,各種研修等によります捜査技術の向上に取り組み,コンピューターに強い捜査官の育成にも努めているところでございます。 次に,県内における少年犯罪の実態についてでございます。本年上半期に補導した刑法犯少年は1,819人,昨年の同じ時期に比べまして263人,率にしまして16.9%増加しております。また,少年人口が減少しております中,刑法犯少年の人口比は過去10年間で最も高い比率を示しておりまして,少年による犯罪率が増加していることは議員御指摘のとおりでございます。 非行の内容でございますが,依然として中学生,高校生によります万引きなどの窃盗犯が中心でありまして,これらが全体の約82%を占めているのでございます。粗暴犯はやや減少いたしました。しかしながら,強姦などの凶悪犯は件数では2件増,人員にいたしまして6人から21人と15人増加いたしております。御指摘のございました「いきなり型」犯罪は,数値で見ますと,平成元年を指数100といたしますと,平成8年では109でございまして,増加傾向にあるのは間違いのないところでございます。いずれにいたしましても,本県の少年非行は量的にも質的にも決して楽観視できないのが現状でございます。 次に,少年の犯罪防止対策について申し上げます。一言で表現すれば,「強く優しい」少年警察運営を基本としてまいります。すなわち,悪質な非行や少年の福祉を害する犯罪については,逮捕,その他強制捜査をも含めました厳正対処を行ってまいります。これが「強い」の意味するところであります。 また,「優しい」につきましては,次の3点を重点に各種非行防止対策を行ってまいります。 1つは,学校や家庭あるいは保護者の方々の協力を得つつ,非行少年の継続補導を強化し,非行グループの解体や再非行の防止を推進いたします。 2つは,少年の規範意識を醸成いたしますと同時に,地域,学校,家庭が本来有するはずであります非行抑止機能を十分に発揮していただくよう,県,市町村などの関係機関と協力いたしまして,広報啓発活動を展開してまいります。 3つ目に,少年警察ボランティアの皆さんとともに働く──共働して街頭活動の強化や非行の背景となっている有害環境の浄化活動を推進してまいります。 以上,3点でございます。 さらに,暴走族問題についてでございますが,県下の暴走族の実態でございます。 現在,暴走族グループとして,20グループ311人を把握しております。このほかにも,グループには属しておりませんが,いわゆる暴走指向者約500人を把握しているところでございます。その構成を見ますと,少年が約90%を占めております。このうち約10%は中学生でございます。暴走族は,各種犯罪や少年非行とも密接に関連し,また暴力団の影響も受けているところでございまして,少年非行防止の観点からも,御指摘のとおり極めて重要な課題であると考えております。本年,これまでに7グループ99人を検挙,解体いたしました。しかしながら,前にもお話いたしましたが,暴走族は,解体いたしましても離合集散を繰り返し,再び新たなグループが台頭をしているのが現状でございます。本年は,倉敷チボリ公園が開園するということもありまして,県南部を中心に暴走族取り締まりや補導活動を強化いたしますとともに,暴走族追放推進委員会等,関係機関・団体の皆様方との連携のもとに,暴走族追放機運の盛り上げを図ったところでございます。 また,岡山駅前周辺の周回族に対しましては,市道の一部を車両通行禁止にするなどの対策を講じたところでございます。こうした対策が功を奏したのかどうか,チボリ公園や岡山駅前周辺での暴走行為は,現時点ほとんど見られない状況でございます。しかしながら,県南を中心に各地で二輪車など数台での暴走行為でありますとか,いわゆる爆音暴走と言われるものが散見されるところでございまして,県民の皆さんに多大な迷惑を及ぼしているのでございます。県警といたしましては,引き続き強力な取り締まり,補導活動を行いますとともに,学校,職場,地域及び関係機関・団体の皆様方とも連携しながら,暴走族追放機運の一層の盛り上げを図り,暴走族を封圧してまいりたいと考えているところでございます。御理解御協力をお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(大杉尚久君)  この際,午後1時10分まで休憩いたします。        午後0時9分休憩   ~~~~~~~~~~~~~~~        午後1時11分再開 ○議長(大杉尚久君)  休憩前に引き続き会議を開きます。 代表質問を継続いたします。 民主クラブ代表25番橘民義君。   〔 25番 橘 民義君 登壇 〕 ◆25番(橘民義君)  民主クラブを代表して,県政の重要課題に関して,知事並びに関係者に質問いたします。 先月,県が発表した県財政の中期展望の修正試算によりますと,来年度すなわち平成10年度の収支不足は381億円,平成13年度までの合計で1,849億円となり,財政再建団体への転落が危ぶまれる規模となりました。10年度だけをとって見ると,381億円の不足ということは,基金を全部取り崩して所有する不動産,株の売却等を行っても211億円足りないという状況であります。そしてさらに,10年度は取り崩す基金や売る物があるが,11年度以降は何も補うものがないので,10年度の2倍から最大2.5倍の財源不足が生じることとなります。 知事にお伺いいたしますが,不動産の売却も計画に入っているということですが,県の所有する主な売却可能な不動産はどんなものがあるでしょうか,場所,売却可能金額をまずお示しください。 また,8年度末の県債の発行残高は約9,140億円ですが,借入先と期間,利率をそれぞれお示しください。 また,借り入れの中でも,利率の高いものに関しては安いものに借りかえるということは普通考えることですが,実際には,政府資金も金融機関の縁故債も繰り上げ償還は極めて難しいということですが,借りかえへの努力はどのようにされておりますか,可能性はあるのでしょうか。 そして次に,来年度の財源不足約210億円をどうするのか,見通しはついたのでしょうか。大型プロジェクトをそれぞれ凍結したり取りやめたりしなければいけませんが,見直しの基本的な原則,進度調整の方法と,また具体的に一つ一つの大型プロジェクトはそれぞれどうするのか,全部お答えください。 また,210億円の財源不足を事業の減少で賄おうとすると予算レベルでは約何億円の減額予算になるのでしょうか,お尋ねいたします。 次に,大型プロジェクト以外はどのような事業の見直しをしていくのか,それも論議の対象となっている事業すべて挙げて,見直しの方法をお聞かせください。 また,切り捨てるばかりでは実際には困る事業もあります。生活基盤を支える福祉,教育,環境保護などは最低でも今までどおり確保できるのか,あるいは少しでも今までより充実できるのか,知事の基本的な考え方と実際の細かい点にわたってどう予算づけしていくつもりなのか,お聞かせください。 次に,11年度以降に関してお尋ねいたします。 11年度以降は10年度の2倍以上の財源不足が生じますが,10年度に凍結した事業は,同じかまたはその額以上に最低もう3年間続けて凍結しなければ11年度以降は財源不足に対応できませんが,それでもなおさらに200ないし300億円以上足りない年が3年も続くとなると,もう削るとこはなくなり,現在大阪府が抱えているような状況,すなわち福祉を削るとか職員の生首を切らなければ再建できないようなどん底状態になってしまいます。そのような本県の財政危機を乗り越えるため知事は国へ財政支援を要求されるとお聞きしますが,平成3年以降,制度としてはなくなっている財政健全化債という名の地方自治体財政の救済策の復活は国と約束できるのでしょうか,その見通しはどうなのか,お尋ねいたします。 また,この財政健全化債は,もし復活しても,その年その年新しく削減した事業に匹敵するだけの額しか発行されないのが過去の方法ですが,そうだとすると4年も続けて新しい事業を削減していくことは不可能なので,そうなると過去の発行方法とは違った形で,もっと自治体に有利な制度を新しくつくれということになり,なかなか難しいことになると予想されますが,知事のお考え,また交渉の状況を詳しくお聞かせください。 さて,本県の財政はこのように深刻な状況ですが,振り返ってみてどうしてこのようなことになったのか,この際原因,経過,責任などを県民に説明する必要があると思います。先月29日,行財政改革懇談会が開いた行財政改革を考えるつどいでは,県民約100人から直接意見を聞きましたが,これまでの県政の功罪をきちんと総括して,なぜこのようなことになったのか説明してほしいという声が出されました。私はごく当然のことと考えます。石井知事が幾らいい財政再建策を打ち出しても,過去の反省の上に成り立つものでなければ,また繰り返すのではないかと思われ,説得力がなくなります。 今町を歩けば常に「県は大変じゃなあ。何でこんなことになったん」と,ちまたの県政に関する話題といえばそれ以外にありません。そして,ごく普通のよくある声としては,「今まで使い過ぎたんじゃろう」と,「吉備高原みたいに山ん中に町つくったら金がかかるのは当たり前じゃ」,「西署みたいにホテルか博物館みたいな建物が何で必要なん」と,「チボリも今は人が来るけど冬になったら来りゃせん。二,三年したらもう飽きられるわ」,「偉い人が給料カットしたくらいじゃ何も解決せん」,「それにしても長野さんいう人はどうしよん」と,「退職金は何ぼもろうたん」と,大体似たようなストーリーになります。そして「あんたら議会も何をしよったん」という声も必ずついてきます。 私は,初めて当選してから今まで10年間の県議会の財政に関する各会派代表質問をもう一度読み直し,そのときそのときどのような論議が行われ,長野前知事はどのように答えていたのか,そして議会としてチェック機能をどの程度果たしていたのかなどを振り返ってみました。 この10年間に41回議会があり,158回の各会派代表質問がなされ,財政問題を取り上げていないのはそのうちたった17回だけであります。質問の内容も,本当に財政は大丈夫なのかという切実なものが多く,それ以上に危機説も早くから言われています。それに対して長野前知事の答弁は,心配しているとか困っているとかいう言葉は1回もありません。地方交付税等で対応できる良質の借り入れであり,21世紀に向けて中四国の結節点としての本県にとって不可欠な事業のためとか,活力ある成熟社会のためとか言いながら,事業の推進には全力で突っ走って,執行部の中には制する者もいなく,吉備高原だろうとチボリだろうとすべて大型事業,箱物事業を,余りにもひどい県立図書館以外は全部建設してきました。 そして,そんな長野前知事に対して議会はチェック機能として役割を果たしてきたか,本当に制したかということはかなり重要な問題であります。多くの議員は制するどころか前知事の行け行けどんどんをこれまた全力で後押ししたのであります。ここに今日の財政危機の原因のほとんどがあるわけです。しかし,結果責任として県民から見れば,長野前知事の推進役として後押しした議員も,逆に一生懸命制した議員も,何も興味がなくて見ていた議員も同じように見えるのも無理からぬことではあります。平成4年,バブルがはじけた直後に,我が会派の井本議員が2月議会で厳しくバブルがはじけたことによる政策転換を要求していますが,長野前知事は全く無視し,良質な借金であることを強調し,懐に手を入れさせることをしなかったのであります。 そこで,知事にお伺いいたします。 知事は,今回のこの財政危機に至った原因はどこにあるとお考えでしょうか,詳しくお答えください。また,最大の責任者はだれであるとお考えでしょうか。私たち民主クラブは,この責任はだれよりも長野前知事に一番多くあると考えております。民主クラブの総意であります。きっと県民の皆さんに聞いたらほとんどの人がそういうふうに答えると思います。24年間も県政のトップで事業を推進してきたわけですから,だれが考えてもごく当たり前のことです。2番目は,その知事と両輪のごとく行動をともにしてきた議会の中の議員の多数であります。それをどうすることもできなかった議員の少数にも結果責任は存在するでしょう。確かに,国の財政構造改革案により急にこのたびの財政危機が訪れたことは事実ですが,それだったら,石井知事の選挙応援に全力を尽くした橋本総理に県財政がつぶされることになりますが,そもそも財政構造改革以前に県財政は,県債の発行残高を見ても起債制限比率を見ても大ピンチであったことは間違いありません。 もう一度お伺いしますが,民主クラブは最大の責任者は長野前知事だと考えていますが,石井知事はどう思われますか,行政の継続性から考えても,責任をはっきりしないと次の施策に信頼が得られないという点から考えても答える必要があります。知事のお考えをお聞かせください。 さて次は,石井知事御自身の行財政改革への姿勢に関してお尋ねいたします。 知事が当選されてからもう1年近くになります。知事の選挙公約にも行財政改革は含まれ,そして県財政がピンチということは,石井陣営も含めて各候補が大きな問題として挙げていました。この1年を振り返ってみて知事の公約で実行できたものは何があるでしょうか。青空知事室,目安箱となぜか女性副知事だけであります。情報公開や不正支出の全庁的調査は避けるし,あとは前知事の事業を引き継いだだけであります。最大の課題である行財政改革も懇談会の中間答申の段階ではありますが,知事からは何も具体的な構想などを聞いたことがありません。もし考えがあり,ビジョンがあるとそれなりに伝わってくるものですが,何も全く聞かされません。私ども民主クラブは石井知事を選挙では応援しなかったのですが,当選後は必要以上,選挙結果にはこだわらず,よいところは評価し,悪いとこはだめということで知事との関係を持っていく方針ですが,その意味でも野党第1会派の代表質問でありますから,民主主義の原則,県民への公正さのためにも特にこの質問には十分答えていただきたいと思います。知事は,政策の柱である行政改革,機構改革,財政再建にどのような基本的姿勢で具体的処置をするのでしょうか,知事のお考え,心意気をお聞かせください。 さて,この項最後ですが,新聞によりますと,8月28日の総務委員会での本田総務部長の説明では,県の財政再建へのシナリオはもうできていて,平成10年代の半ばからは好転していき,それまでを乗り切るためには先ほど私の取り上げた財政健全化債の発行で賄うしかない,そうすれば,岡山県の県債は他県と違い10年物が多く後は楽になっていくという話であります。 知事にお尋ねいたします。 知事は,選挙のときには多くの場所で,知事御自身が建設省の出身で中央と太いパイプがあり,したがって仕事はたくさん取ってくるというような約束をされているとお伺いいたしますが,その知事の中央との太いパイプ,特に元岡山県副知事とか内閣総理大臣も控え,岡山と中央はまさにこの太いパイプがはっきりとだれの目にも見え過ぎるぐらい見えるのであります。知事は既にこの財政危機を乗り切るシナリオを持っていて,しかもそのシナリオはほぼそのとおり上演されるよう見通しがついているなら今この場で説明してください。 連日マスコミも財政危機を大きく取り上げ,県民に心配をかけ,いや不満,不信を抱かせ,職員幹部の給与をカットし,議会も報酬を10%カットし,天下の一大事の舞台はでき上がり,そして一大事が十分行き渡ったら,その後大問題を解決した石井知事はここにありというシナリオでは,シナリオを書いた方はおもしろいでしょうが,その劇を見せられた県民や議会は不愉快きわまるのであります。 知事にお伺いいたします。大ピンチを切り抜ける見通しは立っているのですか,平成10年代半ばは好転する自信がもうあるのですか,明確にお答えください。 次は,国体と主会場に関してお伺いいたします。 今年の2月議会で,私は,古都南方の用地はもうあきらめて岡山市が持っている国鉄操車場跡地に主会場を建設したらどうかと提案いたしました。その理由はたった1つで,むだな金を使わないということであります。厳密に言うと,陸上競技場とサッカー場は同じものではないかもしれません。しかし,岡山市が操車場跡地に建設しようとしているものはサッカーもできる多目的大型グラウンドですから,国体主会場にも使えるのは明らかであります。これほどの財政難に今から陸上競技場とサッカー場の2つをつくるということは,県民からすれば,特に岡山市民からすれば二重の事業であります。事業主体が県であろうと市であろうと,それはつくる方の論理で,納税者から見るとむだな事業の代表であります。私は,岡山市との負担割合の問題も自動的に解決し,一石二鳥,三鳥と言いましたが,知事は答弁で「石を投げても鳥には当たらない」と言われました。古都南方では700億円も1,000億円もかかると言われており,それを断念するのは財政状況から考えても国体のあり方から考えても仕方がないことです。 そして,次の候補地として県はいずみ町の県営グラウンドの方へ腹を決めているらしいのですが,仮にここでやったとして,古都南方の10分の1で済もうと5分の1で済もうと100億円以上の建設費が必要なことは間違いありません。いや,私の方が勝手に100億円以上と言いましたが,知事は建設費を幾らに見積もっているのでしょうか,まず第1にそれをお尋ねいたします。この問題を論議するときの大きなポイントであります。 私たち民主クラブでは,去る9日,いずみ町のグラウンド,操車場跡地,古都南方と3カ所を現地調査に出かけました。いずみ町の総合グラウンドの埋蔵文化財を保存しながら,すなわち地面より下は余り掘らずに仮設のようなものでつくるという方法は,それぞれの国体の規則や要求されている条件を本当にクリアできるのでしょうか。また,仮にできたとしても,国体だけのための施設ということになり,何か中途半端で余りいい案とは思えませんが,知事の考え方をお尋ねいたします。 また,地面の下を掘ってつくるとしたら,埋蔵文化財の問題は切り抜けられる自信があるのでしょうか,お尋ねいたします。 そして,その調査は2年ぐらいはかかるだろうと言われていますが,2年だろうと1年だろうと,だめだったからといってまた古都南方に戻ることは絶対に不可能です。そこで,もう一度岡山市の所有する操車場跡地も候補地の枠に入れて考えることを提案いたしますが,いかがでしょうか,お尋ねいたします。南北に土地の長さが十分でないとか駐車場がとれないとか2月議会と同じ答弁は理由になりません。やろうと思えばそんなことはどんなふうにでも解決できることであります。 さて,国体問題の最後ですが,今までは国体をどうしても平成17年に岡山県で開催するという前提で,いかに県民負担が少ないようにするかという視点で話を進めてきましたが,県民の間でよく聞く声は実はそうではありません。国体返上論であります。戦後,我が国の復興に,またスポーツの振興に国体が大きな役割を果たしてきたことは間違いありません。しかし,今もう戦後52年を迎え,日本の社会も全く様子は変わり,本当に国体が今までと同じ方式で開催されていくことに果たしてどんな意味があるのか,多くの国民が疑問を持つところであります。各県持ち回りでそのために,あるいはそれに便乗して国体に合わせて施設を整備していく必要はありません。しかも,ほとんど国の補助はなく,どの自治体も財政難にあえいでいる中でのことです。スポーツの振興も,国体がなくても他の方法で全国大会を開くなど幾らでも考えられるし,会場などの建設費に500億円も1,000億円も使うならもっと選手の強化費や道具,器具類など具体的なものに使う方がよほど有効であります。そもそも開催県がほとんど天皇杯,皇后杯を取るという結果そのものが,本来のスポーツの精神とは少し外れたものを感じさせられるのであります。私は知事に提言いたします。全国一の財政難は知られわたっていることですから,思い切ってこの際国体を返上したらどうでしょうか,どう考えても国体が開かれるような財政ではありません。市町村も本音では喜ぶところが多いと思います。他のどの県よりも岡山県が返上するのは理由が明快だし,国体のあり方をもう一度考え直すいいチャンスを全国に与えることにもなります。地域振興型,施設重視型の国体よりもスポーツ振興型,選手重視型の別の形の競技方法にするべきであります。知事の決断を求めます。 次は,開かれた県政を求めて4点お尋ねいたします。 財政危機の原因の一つに情報が公開されていなかったことがよく指摘されます。県の財政状況,事業の内容,その他議会での論議など県民が知りたい情報がもっともっと伝わりやすくなっていれば,県民の声が大きなチェック機能となり,別の展開もあっただろうということです。議会も,本会議は傍聴できるけど,本当の審査は各委員会で行われていて,その委員会は一般県民の傍聴を部屋が狭いからという理由で許さず,県民からすると開かれた議会とは言いがたいものであります。知事にお伺いいたしますが,知事の目から見て岡山県議会というところはどんなふうに見えますか,岡山県議会は活発に機能していると判断されますか,知事は開かれた県政を掲げて当選されましたが,県議会は県民にとって開かれた議会になっているとお考えでしょうか,知事の所見をお伺いいたします。 次は,倉敷南地域保健福祉センターの不正支出に関する裁判についてお尋ねいたします。 「市民オンブズマンおかやま」が,倉敷南地域保健福祉センターの不正支出に関して長野士郎前知事など5人を相手に127万円の返還を求めて起こしていた訴えについて,先月被告側5人は訴えを認諾いたしました。合計127万円払うということで負けを認めあっけなく裁判は終わってしまいました。石井知事は被告ではありませんが,この問題は,岡山県の空出張問題,情報公開と大きな問題に関係しているため,前知事からの行政の継続性ということで石井知事にお尋ねいたします。 同センターの空出張問題では,県の調査で約708万円が不正支出とされ,うち581万円は関係職員に返還させたのですが,裁判で問題となった残りの127万円はパソコン,図書,中元などの公的経費に充てたと判断したため職員には返還を求めませんでした。しかし,今回の裁判で認諾したということは,127万円はパソコン,図書などの公的経費に使ったのではないということなのでしょうか。県が我々に説明したように公的経費に使ったのなら127万円返還するのはなぜなのでしょうか,お尋ねいたします。 私の感想では,被告は,裁判で闘って倉敷南地域保健福祉センターのいろんな当時の資料を裁判所へ提出して調べられるより,早く裁判で負けてお金を返還した方がよほど都合がよかったのではないかと想像されます。いかがでしょうか,知事の正直な御感想をお聞かせください。 次は,文書の保存年限に関してお尋ねいたします。 県の公文書の保存年限はそれぞれ文書の種類によって訓令で定められていますが,昨年4月には食糧費,旅費計算書なども含めて保存年限を短くする措置をとりました。議会には委員会にも報告せず,ある新聞社の全国調査によりことし7月に初めて県議会総務委員会で話題とされたのであります。昨年以来,不正支出,情報非公開,全庁的調査の拒否など本県の閉鎖性が議会や県民の間から指摘されていますが,情報公開条例の施行の直前に県民の財産である公文書を少しでも早く捨ててしまおうとするのは余りにも時代に逆行した措置だと思います。なぜそのようなことをしたのか,だれが思いついたのか,なぜマスコミに知られるまで議会に報告しなかったのか,お尋ねいたします。 次は,平成8年度の決算の中から旅費に関してお尋ねします。平成8年度の旅費は45億5,900万円で7年度の74億200万円に比べて38%も少なくなっています。空出張が発覚して旅費が県民から不信の目で見られているときですから減ることが悪いわけではありません。しかし,38%も1年で減らせることができたというのもある意味では不思議なことであります。38%の減は8年度全般において減ったのでしょうか,それとも空出張が発覚した9月以降主に減ったのでしょうか,お尋ねいたします。 また,主にどのようなところへ出張する費用が減ったのでしょうか,38%の中身に関して詳しく御説明ください。 次は,チボリ公園に関してお尋ねいたします。 チボリ公園は,10年という長期にわたり多くの論議の中で着工され,ことし7月18日開園されました。本当に巨額の県費を使って県主導でやるべきだったのかというと,この財政危機を迎えやはり民間が受けてくれるまで待つ方が賢明だったと思うところですが,これもなぜか前知事がチボリに対する執念というものからやり切った事業と考えられます。 知事にお尋ねいたしますが,7月18日の開園以来先日9月6日で入園者数が100万人に達したとのことですが,この数字はどのようにとらえているのでしょうか。マスコミ等によりますと,チボリ・ジャパン社はまずまずだと安心,または満足しているようですが,これから寒くなると逆風になるかもしれないし,楽観ばかりしていられないと思います。開園1年目の300万人は何とか到達しそうでもありますが,2年目以降は全くの未知数です。知事の感想と予測をお聞かせください。 また,入園者すなわちお客さんのテーマパークとしての評価,感想はいろんな言葉で伝わってきますが,私も3回行きましたが,昼はおもしろくなく夜の方がいいというのが素直な感想であります。多分昼間はこちゃこちゃと狭々しい感じがするのに対して,夜はそれが光の中で見えなくなって別の雰囲気をつくるからでしょう。知事はチボリ公園に行かれて公園の内容,雰囲気はどのように感じたでしょうか。 また,別の観点から,県職員派遣問題の裁判の控訴審には勝てるだけの公共性は十分あると思われましたか,もしレジャーランドだったりテーマパークだったりすると公共性は否定されます。どのように評価されますか,お尋ねいたします。 次は,社会福祉法人健寿会が経営する特別養護老人ホーム「プルミエ岡山」に関してお尋ねいたします。 健寿会が設立認可されたのは平成8年3月14日で,岡山市は中核市になる前で認可権限はなく県によって認可されました。したがって,認可の責任は県にあると考えられますが,いかがでしょうか,まず知事にお尋ねいたします。 岡山市の説明によると,施設事業計画の収入は国庫補助金6億6,500万円,県の補助金約3億3,200万円,市の補助金約1億8,000万円と合計11億7,700万円が補助金で,公的融資は社会福祉・医療事業団から5億円であります。そして,一番基本となる寄附金は1億円であり,さらに金融機関からの融資1億1,000万円も予定されていて,合計18億9,000万円の予算でした。ところが,なぜか資金不足となり,結果健寿会は建設業者に約15億800万円しか払えず,プルミエ岡山は施設と敷地の約3億5,000万円の抵当権を大成建設に取られ,社会福祉事業法に違反した状態になっています。その原因としては,一番基本的な資金の寄附金が支払われていないこと,金融機関の融資が実行されなかったこと,そうして既に明らかになっているように建設費以外に流用されたことなどが考えられますが,寄附金1億円に関しては,県議会,岡山市議会それぞれの各委員会審査では,いわゆる見せ金ではなかったかという質疑が行われていますが,県の審査の段階ではどのような形になっていたのでしょうか,お尋ねいたします。 また,金融機関からの1億1,000万円の融資も受けられなかったそうですが,なぜそのようなずさんな計画で県は認可したのでしょうか。融資証明書がなければ法人の認可はできないはずですが,聞くところによると,融資が受けられない場合,前理事長から元理事長に融資予定額と同額の1億1,000万円を贈与するという内容の贈与契約書が県の指導で交わされたということらしいのですが,もしそうだったとしたら明らかに認可のときの県の指導の間違いではないかと思われますが,いかがでしょうか,知事にお尋ねいたします。 県は,認可に関してすべての条件が完備していたのを確認したのでしょうか。特に資金のうち寄附金,借入金はそれぞれどのような書類または現金,通帳で確認したのでしょうか,お尋ねいたします。 結局,社会福祉法人の設立の条件である基本財産の一部が欠落していたのではないかと思われますが,県はそのことを認識していたのでしょうか,お尋ねいたします。 また,この問題に絡み,健寿会の親法人的な役をしている財団法人光清会はプルミエの建設用地として健寿会に約3,500平方メートルを譲与し,また光清会自身の基本財産である岡山市北浦の土地に健寿会の債務のために抵当権が設定されていますが,そのかわり健寿会からプルミエ建設に関連した業務委託契約5,400万円を受け取っているのです。財団法人の監督は県ですが,県はこの光清会の立入検査を行うと表明していますが,次のことをお伺いいたします。 第1に,光清会が土地を譲与したことは各法律に違反しないのか。第2に,業務委託費を受け取ったならどのような業務をしたのか,またそのこと自体問題はないのか。県は光清会に立入検査をもう行っているのか,どのようなことが判明したかなどにそれぞれ知事の答弁を求めます。 次は,中国と岡山についてお伺いいたします。 日中戦争が1931年に始まり,1945年の終戦を迎え,それからまた52年が過ぎました。その日中両国も1972年国交を回復して既に25年が過ぎ,橋本総理は訪中し,日・米・中の3カ国の中での日中関係を三角形の一辺と言い,その大切さを強調しました。マスコミからはその一辺にとげが刺さっていると表現をされています。 先日の新聞によりますと,世論調査で中国に「親しみを感じる」と答えた人が57%でありましたが,80年代では70%前後を維持していたのと比べるとかなり下回ってきました。これに対して中国側も全国紙の一つ中国青年報が2月に発表した世論調査結果によれば,「日本に好ましい感情を持つ」はわずか15%,「日中関係は良好」と見る割合はわずか14%になっています。他のアジアの地域と比較すると日本に親近感を抱く割合はマニラ80%,シンガポール82%,バンコク74%でありますから,いかに中国人が他の地域より日本に好感を持っていないのかよくわかります。8月中旬に行われた日中学生会議主催の日中合同シンポジウムでは,その要因として,やはり日本の対中国戦後補償,歴史認識への強い不信にあることが明らかにされました。しかし,砂漠の緑化運動,日本語教材の寄贈運動,「平成の遣唐使」などボランティア活動も多く,良心的な友好交流の努力も素直に認めてほしいという意見も日本側から出されました。要するに,日中間は仲よくしようと思えば友好交流であろうと経済交流であろうと幾らでもできるのに,大臣が次々と歴史認識の間違った発言で既に7人ないし8人その職を辞しているように,一部の政治家や評論家の歴史認識をめぐる安易な主張により両国民の感情が悪化しているということであります。日本がドイツのように,かつての侵略戦争への責任と反省を十分心から伝えてないばかりか反対の発言の方が目立つのでは,いつまでたっても加害者と被害者という立場は変わりません。 私は,この問題が日本の政治の最重要課題の一つだと考えております。なぜなら,友好も経済協力も本当に相手からの信頼と理解がなければいつかとまってしまうからであります。そして,それは対中国だけではなく全世界と日本との関係でもあるからです。中国経済も日本のいいところを吸収しながら発展してきました。しかし,ある程度発展すると今度は,労働力や資源は向こうの方が豊かですから,いつの間にか日本の方が見捨てられる時代がやってこないとも限りません。一日も早い政府の新たな対応が必要とされているのであります。 幸いにも岡山県は古くから中国との関係は深く,新しくは江西省と友好提携を結び,企業も既に上海付近には26社,北京などほかと合わせると53社が事業所を持っています。そして,このような状況の中でことし7月5日,水島港と上海を結ぶ定期コンテナ航路が開設され,第1便が就航し,海上での岡山県と中国を結ぶルートが開かれました。また,8月15日の日中航空交渉においては,岡山空港との空路が開かれることが決まり,さらに県はことし10月から上海事務所の開設を決定いたしました。中国と岡山の関係が単なる友好交流だけの時代が過ぎて,次のさらに深い関係に入っていくときがやってきたことをあらわしています。それは岡山という都市が,いわゆる地方自治体が,国や政府を越えて新しい形の日中関係を生み出していく可能性を持ち,いいモデルとなることができることを意味しています。 そこで,知事にお伺いいたしますが,知事は,日中戦争,戦争責任,戦後補償などに関してはどのようなお考えをお持ちでしょうか。岡山県が中国とつき合っていく上でも,知事の一言で航空路が開けなかったり,また逆に今後の交渉がうまくいったりすることになります。 そうして次に,上海事務所の果たすべき役割は何なのか,また具体的な活動内容はどのようなことなのか,またそれによる成果をどのように求めるのか,知事のお考えをお聞かせください。 また,飛行機便に関しては,中国直行便の相手空港は上海が一番望ましいと考えますが,県のお考えや上海直行便の可能性の見通しをお尋ねします。 そして,水島港と上海を結ぶ民生神原海運有限公司が運航する「ドルフィン・グレイス」の成果はどのようにお聞きになっているのでしょうか。同時に,水島港と上海を結ぶ旅客船の運航に向けても県がアイデアを出し,民間に働きかけてはいかがでしょうか,知事のお気持ちをお尋ねいたします。 さて次は,国際貢献とAMDAに関してお尋ねいたします。 先日,元英国王妃のダイアナさんが交通事故で亡くなり,その葬儀には200万人という市民が参列しました。ロンドン市民の悲しそうな表情とエルトン・ジョンのダイアナさんに語りかけるような歌声が印象的でした。地球の周りには通信用の人工衛星が回り続けていて,茶の間にいて地球の裏側の様子をリアルタイムに見ることができます。また,インターネットで世界じゅうに電子メールを10円で送ることができます。海外旅行や友好交流は日常的で,移民や国際結婚もふえ続けています。世界じゅうがよその国と自分の国を大きく区別することができない時代に入っていくのも,そう遠くないと想像されます。 しかし,そんな中でも地球の未来は決して明るいものではありません。地球の人口は現在約57億人,そして1年に8,000万人以上ふえ続けていますが,それもほとんど南側第三世界であります。人口爆発からくる食糧危機も危ぶまれていますが,環境問題も大変で,本当に地球が助かるかどうかはわかりません。森林の減少,砂漠化,水と空気の汚染,大気温暖化,廃棄物の処理,フロンガスによるオゾン層の破壊など切りがありません。オーストラリアでは,既に学校では子供たちに,外出するときは帽子をかぶり,日やけどめを塗り,天気のいい日は15分以上直射日光を浴びないように指導しています。日本でも,今の子供たちがお母さん,お父さんになったときの子供は,青空の下では運動会はできないようになるのではないかとさえ言われています。 さらに,エイズ感染者は約2,100万人,マラリアで命を奪われる人は年間約200万人,地球上にはありとあらゆる病気が存在して,しかもその数は少なくありません。そんな中で最もばかげたことは戦争ですが,これまた地球の上では途切れることなく常に何カ所か武力衝突が行われています。そして,世界じゅうに人類を何十回も殺すことのできる核兵器が配備されています。 私は,7月にAMDAの現地プロジェクトを訪れて,アフリカのジブチ共和国とウガンダへ行ってきました。ジブチ共和国には,ソマリアの内戦で命からがら逃げ出した難民が国境を越えて難民キャンプ3カ所に2万人以上暮らしています。当初は食料もなく病気もはやっていましたが,AMDAと国連と現地の難民局の努力で今はキャンプに落ちつきが出てきています。ウガンダでは,僻地にAMDAが診療所を建てて,今まで病院に行けなかった人の医療を現地NGOと共同で行っています。そのウガンダは,エイズ感染者が何と20%を超えていて大問題となっているのですが,それよりもまだマラリアで死ぬ人の方が今は多いというくらいマラリアもはやっています。蚊帳の中で寝ることができれば,それだけでマラリアは防げるのですが,それを買うお金がないというつらさは岡山県の財政危機とどちらがつらいでしょうか。知事の答弁は求めません。 AMDAは,岡山に本部のある日本で最大の医療援助NGOです。いや,アジア最大ですが,私の現地でのAMDAの活動の印象は,かなり岡山でのAMDAのイメージと違うものでありました。岡山でマスコミ等で紹介される何かいつもニュースとなるAMDA,何か華々しいAMDAは現地では必死のAMDA,すごい活動をしているAMDA,その地で必要不可欠な存在になっているAMDA,現地の人たちと一緒に活動するAMDAであります。しかし,この岡山の持つ大きな世界の財産となりつつあるAMDAを県は十分理解していないし,今までほとんど実質的な接触をしてないのではないかと思われます。ところが,広島県は,AMDA大学はいつでも来てくださいという姿勢を見せ,またことしの夏も広島県主催の国際ボランティア講座を開き,その運営をほとんどAMDAに任せ,それも定員の何倍も応募があるという大成功の結果を得ており,さすが国際都市広島に値する早い活動をずっと以前から続けています。 知事にお伺いいたします。知事はAMDAに対してどのような評価をされているでしょうか。また,2月議会でも私は「国際貢献大学を岡山に」と文部大臣が前向き答弁したことによる質問をいたしましたが,知事の姿勢はまだ見えてきません。国際貢献大学は必ず岡山にという気持ちがおありかどうか,お尋ねいたします。 私は,先ほど日本と中国の関係を話しましたが,アジアの中で日本が信頼を取り返すのは国の政治的態度があくまでも第一義的なものですが,同時に人道援助,ボランティア活動なども非常に大切であります。ネパールの医師もバングラデシュの医師もフィリピンの医師も,AMDAという一つのグループの中で一緒にアフリカで援助活動をしているのであります。今までアジアの国同士でお互いの利益を追求してきたことをはるかに超えて,共同作業の方へと向かっているのであります。これこそアジアの人々と仲よくする最高の方法であり,そこにAMDAのもう一つの大きな存在の価値があります。知事は,国際貢献のあり方に関する基本姿勢と岡山県が持つ現状の問題点に関してどのようにお考えなのか,お尋ねいたします。 次は,ダイオキシンに関してお尋ねいたします。 ダイオキシンはベトナム戦争の枯れ葉剤に使用され,その影響で多くの奇形児が誕生し,中でも日本へ手術に来たベトちゃん,ドクちゃんの話は余りにも有名です。一度発生したら永久にその毒性を持ち続け,発がん性もあり,乳児の成長に不可欠な甲状腺ホルモンの減少やアトピー性皮膚炎などの原因になると言われております。人類がつくり出した最強の毒物でありますが,ほとんどがごみの焼却場で塩素系のプラスチック,紙類などを燃やして生じるのであります。そこで発生したダイオキシンは,大気中にまき散らされるか,あるいは焼却灰の一部として最終処分場へ運ばれ地下にしみ込み,やがて川から海へと流れ,魚介類に濃縮されるのであります。ダイオキシンは一度体内に取り込むとほとんど体外に排出されず蓄積されていきます。なぜか女性の方に多く,高濃度のダイオキシンが体内に残留するという調査結果もイタリアでは発表されています。 さて,そのダイオキシンに対して我が国では何も制限するものがなく野放し状態でありました。6月に環境庁の発表した昨年のモニタリングの結果では,大都市や工業地隣接地域では平均欧米の10倍の濃度のダイオキシンが検出されたのであります。また,別の調査では,母親の母乳の中から検出されるダイオキシンの量は日本人の母親が諸外国と比較して飛び抜けて一番であります。そんな背景の中から余りにも遅すぎたスタートではありますが,国は12月1日から初めて法律で規制することを決め,その内容が発表されました。そこで以下3点お尋ねいたします。 まず第1番目に,国の発表によりますと,現在1年間で5.3キログラムダイオキシンを排出しているということですが,ある大学の調査では15キログラム以上と言われています。県下では約何キログラムのダイオキシンが発生しているとお考えでしょうか。また,国はこの規制により90%以上減らすことができるという見方ですが,岡山県でこの規制を実行したら何%ぐらい減らすことができるのでしょうか。 2番目に,市町村のごみ焼却施設についてお尋ねいたします。稼働中の焼却炉では,現在80ナノグラム以上の濃度の施設については速やかに80ナノグラム以下に改良すべきとしていますが,県内でいえば,美甘新庄衛生組合,真庭郡北部環境施設組合,英北衛生施設組合,津山圏域東部衛生施設組合と4カ所存在します。それぞれどのようにすると聞かれていますか。 次に,5年以内に焼却炉の形式により0.5ナノグラムから5ナノグラムの範囲で基準が定められており,この基準に従って指導していくとのことですが,県下のそれぞれの炉は達成できる見通しはあるのでしょうか。 さらには,焼却炉の大型化ですが,焼却炉では24時間続けて燃やし続けないと温度が下がり,温度が下がるとダイオキシンの発生率が高くなるわけですけれど,厚生省は,今後,原則として1日の処理能力が100トン以上の焼却炉に集約し,それ以下の中小炉は廃止させる方針で,5月末には今年度中にどの施設を廃止していくかなどの具体的な計画を求めて各都道府県に文書で通知したのですが,本県はどのような具体的処置をとっていくのでしょうか。ダイオキシン発生の迷惑施設の新たな建設問題やごみの集め方,運搬の方法と無理が生じたり,新たな環境問題を引き起こすおそれもあり,事は複雑であります。知事のお考えをお尋ねいたします。 3番目に,今回の法規制の対象となる既設炉は,廃棄物の炉だけではなく,電気炉など金属精錬施設なども国内ダイオキシン発生の5%前後を占めると考えられるため製鋼用電気炉が対象施設に加えられていますが,県下にはこのような施設は何カ所あり,現在はダイオキシンの排出はどのような状態になっているのでしょうか,お尋ねいたします。 ダイオキシンは,今後は,自治体の焼却施設だけではなく民間の産業廃棄物の焼却も大問題となります。県のダイオキシン汚染への徹底した監視と指導を強く求めて,この質問は終わります。 次は,県立病院の建てかえについてお尋ねいたします。 県立病院の建てかえは,既に10年以上の論議を重ねていますが,その間築後38年目を迎えた建物の老朽化はますます進み,建てかえ問題も絶体絶命,決着をつけなければいけないところにやってきました。ことし5月9日に開かれた県精神保健福祉審議会では建てかえ用地をめぐり活発な意見交換がなされ,それを受けて県は5月20日の地域振興保健福祉委員会で建てかえについて構想を発表しました。それによると,ことしいっぱいには用地を決定して来年度は基本計画に入るということであります。 そこで質問でありますが,まず用地についてですが,審議会で委員の中から出てきた可能な用地の候補としては,1つは,国立岡山病院の跡地,2つ目は,岡山操車場跡地でまだ国鉄清算事業団が保有している部分,3つ目には,内尾の環境保健センターの隣で県有地,4つ目は,現在の県立病院のある場所,5つ目は,岡山市青江の日赤病院の隣地で県土地開発公社が所有する土地など,5つが候補地として挙がってきました。それぞれの候補地は難しい条件を抱えてはいますが,内尾は市街地から遠く今後外来客も少なくなる可能性があり,それにより経営もやりにくく,また地域ケアにも適さないという理由で除外されました。そしてまた,別の角度からの論議もあり,委員の中から,現在県立病院のある土地は極めて狭く,そこへ建てかえるとなると,駐車場も少ないし,建物も4階,5階建てと高層になり精神病院には適さないとの意見もかなり強く出されていたことも事実であります。 そこで提案ですが,私はこの際,財源不足も考慮すると,県土地開発公社の所有する岡山市青江の日赤病院の隣地を候補の1番として考え,公社からは固定資産税,金利その他経費を支払う条件で県がその土地を借りて使い,建物に関する費用は現在の県立病院のある鹿田本町の土地を売却して捻出するという方法が名案だと考えますが,いかがでしょうか,お尋ねいたします。 次は,教育問題に関して教育長にお尋ねいたします。 先月の文部省が発表した1996年の学校基本調査によりますと,年間30日以上欠席した登校拒否は9万4,000人で前年より約1万3,000人ふえ,過去最高を更新し,中学生では61人に1人の割合になっています。県下でも1,809人と過去最高の数字であります。教育長にお尋ねいたしますが,登校拒否対策は現在の対応以外に方法はないのですか,思い切った岡山独自の新しい対策を求めてアイデアを募ったことがありますか。また,児童生徒がそれぞれその後どう進んだか,その後の調査があればお示しください。 次に,中高一貫教育に関してお伺いいたします。中学生という時期に高校入試を控え,成績や入学試験のことばかりに悩み,そこから発生するさまざまな問題を少なくするためにも中高一貫教育が提示されています。教育長にお尋ねしますが,中高一貫教育に関してどのような取り組みをしていくのでしょうか。また,今回県立高校普通科5校に新しい学科を設置しましたが,中高一貫教育との整合性はどのようになるのでしょうか。また,岡山学区,倉敷学区の普通科総合選抜の廃止も中高一貫教育をにらんでのことなのでしょうか,お尋ねいたします。 次は,教員の採用に関してお尋ねします。教員採用は,平成6年度から35歳未満までと年齢制限を引き上げたのですが,文部省の意図はできるだけ幅広い人材を教職員に確保しようとしているのではないかと考えられます。本県では,すぐれた知識,技術や幅広い経験を持つ社会人を高等学校へ招き,社会人講師活用事業として659講座を設けました。私は,そもそも教員の採用試験から年齢制限を取り払うのがよいと考えております。教員くらい多様な個性や知識,考え方を持ち,いろんな経験を積んだ人材を必要とされている職種はありません。定年退職をした商社マンが諸外国の事情や生きた経済を教えるとか,実践的な外国語を教えるとか,工場労働者が現場の生産システムや組織的活動を教えるとか,看護婦さんをしていた人が保健を教えるとか,もう少なくなってきている戦争体験を持ったお年寄りが戦争の悲惨さを直接語るとか幾らでも考えられます。教育長のお考えをお尋ねいたします。 次に,暴力団の抗争事件に関連して警察本部長にお尋ねいたします。 8月28日,神戸市内のホテルで白昼堂々と山口組の最高幹部が射殺され,たまたまそばにいた暴力団とは何の関係もない市民が流れ玉に当たり亡くなるという事件が発生しました。兵庫県警では山口組内部の抗争事件と見て捜査を進めているようですが,すぐ隣の県で発生した事件であり,また本県も山口組系の勢力が強く関係する団体も多いので,多くの県民が同じような事件が起きるのではないかと不安に思っています。 そこで,県警本部長にお尋ねいたしますが,県内の暴力団情勢,とりわけ今回の事件に関連した動きは何かあるのか,また事件の再発や飛び火を未然に封じるためにどのような対策をとっておられるのか,お伺いいたします。 あわせて,暴力団撲滅に向けた御決意についてお聞かせください。 最後に,少年犯罪に関してお尋ねいたします。 神戸市の小学校6年生男児殺害事件では14歳の中学生が逮捕され,全国に大きなショックを与えましたが,先月警察庁のまとめたデータによると,ことし上半期1月から6月までの半年間では,殺人,強盗,放火,婦女暴行といった凶悪犯罪で摘発された少年は全国で1,040人で,昨年に比べて1.6倍にふえています。県内では,昨年同期6人だったのがことしは21人と3.5倍になっています。内容は,鉄パイプで通行中の人を殴り財布を強奪するとか放火,婦女暴行などですが,いずれもグループによる犯行が特徴的であります。新聞によりますと,警察庁は,従来の少年の保護重視の方針から悪質なケースは積極的に逮捕する方針に転換したと言われていますが,県警は,県下の少年犯罪の実態をどのように考え,どのように対処していくのか,お尋ねいたします。 また,このような集団での少年凶悪犯罪がふえていくのはどのような原因が主なものか,本部長のお考えをお尋ねいたします。 また,教育現場での指導も大きく関係していることは当然でありますが,少年犯罪の増加はどこに原因があるのか,また教育現場ではどう対処していくのか,教育長のお考えをお尋ねいたします。 以上をもちまして私の民主クラブ代表質問を終わらせていただきます。 御清聴ありがとうございました。 ○議長(大杉尚久君)  答弁を求めます。 知事石井正弘君。   〔 知事 石井正弘君 登壇 〕 ◎知事(石井正弘君)  民主クラブの橘議員の代表質問に対しまして,順次お答えをいたします。 まず最初に,財政問題についてでありますが,県有財産の処分につきましては,来年度に処分を予定しております不動産は,岡山市いずみ町内の元県公舎用地など10カ所程度の未利用地でありまして,その処分価格は9億円程度と見込んでおります。また,そのほか,県財政の中期展望を踏まえまして,旧児島警察署跡地や岡南飛行場無線施設跡地等の大規模な土地の処分について地元市と協議を進めているところであります。 県債の借入先等についてでありますが,まず借入先と期間は,政府資金等が4,926億円で,これらについては20年償還のものが多いところとなっております。また,銀行等の縁故資金は4,214億円で,これは大部分が10年償還であります。 なお,利率は,5%以下が7,260億円で8割程度を占めております。7%までが1,528億円,7%を超えるものは352億円でありまして,全体のシェアは4%程度ということでございます。 県債の借りかえにつきましては,政府資金につきましては,その制度上認められていないことなどから大変厳しい状況にはございますが,中国各県とも連携をし,中国知事会として要望もしたところであります。今後とも努力をしてまいりたいと考えております。 来年度の財源不足への対応についてでありますが,行財政改革懇談会の専門委員会の中間報告によりますと,未着工の大規模事業の原則凍結,補助・単独公共事業の抑制,奨励的補助金など一般施策全般についての見直し等が示されているところであります。 具体的な事業の見直しや削減額についてどうかというお尋ねでございますが,これは今後の同懇談会の議論,答申等も踏まえながら検討し,収支不足額の解消を図っていきたいというふうに考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。ただ,その際にも,御指摘にございましたが,県民生活に直接かかわる事業,あるいは社会的弱者の自立のための事業など,「快適生活県・おかやま」の実現のために真に必要な事業につきましては重点化を図ってまいりたいと考えております。 財政健全化債の見通しについてでありますが,徹底した歳出削減を行いまして,あわせて行財政改革を前提とした臨時的財政措置を国に強く要望することによって中期的な収支不足の解消を図りたいと考えております。この措置の動向あるいはその内容を含めまして,来年度以降の地方財政措置につきましては,現段階ではいまだ示されておりませんが,本県といたしましては,ただいま申し上げましたようなことで,臨時財政措置の前提となります徹底した行財政改革の取り組みがまず急務であると考えているところでございます。 財政危機の原因と責任についてるる橘議員の御意見が開示されたところでございますが,これにつきましては,21世紀を展望いたしまして,各種拠点施設等を積極的に整備を行ってきた,その一方で税収低迷あるいは景気対策に伴う財政の負担,さらに今回の国の財政構造改革の大きな影響があったと,このような原因で危機的な財政状況に立ち至ったものというふうに考えております。しかしながら一方で,これらの充実した社会資本というものの意義は,県民共通の資産として県民生活の向上のために今後とも大きな役割を果たしていくものであるというふうにとらえているところでございます。 行財政改革への取り組み姿勢について具体的にお尋ねがございました。来るべき21世紀に向かって飛躍する岡山県を築くため,未来を志向した行財政改革を断行する必要がございます。現在,行財政改革懇談会において10月答申に向けて精力的に御検討をいただいているところであります。 さきの中間報告の中では,財政の健全化や職員定数の計画的削減,新たな行政課題に柔軟に対応できるスリムな組織への改革,民間委託の推進などにつきまして,改革の方向の提案がなされたところでございますが,今後さらに議論が深められまして,答申を待ちたいと思っておりますが,その答申におきましては,具体的な数値目標の設定とか,あるいは改革の内容,実施時期等が織り込まれる予定であります。懇談会での議論や答申も踏まえながら,議会の皆様方ともあらかじめ十分協議をさせていただきながら,私自身が先頭に立って不退転の決意でこの抜本的な行財政改革を断行いたしたいと,このように考えております。どうか今後とも御理解と御支援をお願いを申し上げる次第であります。 その財政再建のシナリオについてのお尋ねがございましたが,これはまだ国の財政措置の状況等につきまして流動的な要素もあるわけでございまして,現在の段階では,行財政改革の徹底した取り組みとあわせまして起債発行の抑制など今後財政管理を適切に行っていけば,中長期的には財政健全化を図ることが可能であるというふうに考えております。いずれにいたしましても,当面来年度予算編成に向けて,これからお願いしようとしております国の臨時的財政措置の前提となります大幅な歳出の削減,これができるかどうかということが現在の最大の課題であるわけでございます。今後,行財政改革の議論,答申も踏まえながら議会の皆様とも十分協議をし,財政再建に向けて全力で取り組んでいきたいと,このようなシナリオを考えているところでございますので,御理解を賜りたいと思います。 次に,国体と主会場についてのお尋ねでございます。 総合グラウンドの陸上競技場改修については,埋蔵文化財に配慮する必要があることから,専門家による検討委員会を設け,その可能性を検討することとしておりまして,その改修経費は,他の県の例を参考に試算をいたしますと約100億円程度と見込んでいるところであります。なお,この試算に当たっては,国体開催後も日本選手権などの全国大会にも活用が可能ないわゆる第1種公認陸上競技場の基準を満たす最小限の整備を想定しているところであります。 旧操車場跡地についてのお尋ねでありますが,この旧操車場跡地につきましては岡山市当局からの要望には一切入っておりませんし,サッカー場を中心とした総合公園が現在計画をされ,現在市議会に関係の経費が提案されているとお伺いをいたしております。このような状況でもありまして,さきの議会でもお答えを申し上げましたように,主会場候補地としては考えておりません。 国体返上論についてのお話を賜りました。国体は,県民が何らかの形で参加をすることによって,スポーツ振興はもとより県内外の人たちとの交流とかあるいは開催県のイメージアップなどに大いに貢献するものであると考えております。県内の多くの市町村は,平成6年2月,本議会において全会一致でちょうだいをいたしました誘致決議以来,地域の活性化とそして連帯感の醸成等を図る絶好の機会ととらえまして,国体の開催に意欲的に取り組んでおられます。県といたしましては,2巡目国体の意義や現下の財政事情から可能な限り簡素・合理化を図りながら,岡山らしさを発揮した国体を開催したいと考えておりますので,今後とも御支援,御協力を賜りたいと存じます。 開かれた県政についてのお尋ねがございました。 まず,開かれた議会かどうかという感想をということでございましたが,私が感想を述べるのはいかがかとも思いますが,議会におかれましては,本会議はもとよりのことでありますが,常任委員会においても他県に比べ活発な御議論をいただいておりまして,またこれら審議状況は,マスコミや広報紙などを通じて県民の方々に適切に提供をされているものというふうに感想を持っているとこでございます。 倉敷南地域保健福祉センターの不適正支出に関する裁判についてでありますが,御質問にありましたとおり「認諾」という言葉がございまして,この認諾という意味は,原告の主張すべてを認めることではありませんで,あくまでも127万円を県に支払えという請求の趣旨のみを認めたものであります。したがって,127万円は公的な経費であったという県の今までの判断が覆されたわけではありません。また,被告は,裁判を続けることは精神的,経済的な負担が大きく,訴訟の早期終息によって一日も早く職務に専念したいとの気持ちから認諾をされたというふうに私どもはお伺いをしているところであります。 文書の保存年限についてでありますが,公文書の開示等に関する条例の施行を機に,文書を適正に管理し,検索を容易に行うためなどの条件整備の一環として,公文書の内容,性質などを考慮して,法令による定めや契約期間,時効期間,利用頻度,県政運営における重要度など,こういう一定の基準によって保存年限の見直しを当時行ったものだというふうに私は聞いておりますが,どうかこの点御理解を賜りたいと思います。 出張旅費についてのお尋ねがございました。昨年度においては,年度を通じて一昨年より減少しております。 なお,昨年度は,年度当初の予算執行方針だけではなくて,極めて厳しい財政状況にかんがみ,需用費や旅費については予算枠の20%以上を目途に徹底した節減を図るように年度途中の7月末に通知をしたところでありまして,年度後半にその効果があって特に節減が図られたというふうに考えております。 なお,出張先についての具体的なお尋ねでございますが,特に調査をしておりませんので,御理解を願いたいと思います。 次に,倉敷チボリ公園についてでありますが,入園者数が開園から約50日で100万人に達し,高い評価をいただいておりますことは,まことに喜ばしいことと考えております。今後は,一層県内外の多くの方々に親しまれ愛される公園として発展をいたしますように,質の高いサービスの提供や幅広い誘客活動などに努めまして,安定的に多くの方々に訪れていただき,目標を達成していかなければならないと考えております。 公共性の評価等についてでありますが,この公園は,私自身も入ってみまして,昼は大変色鮮やかな草花が咲き誇っておりますし,またエンターテインメントが心を弾ませるものがございます。夜には,御質問にもございましたが,ライトアップが大変幻想的な雰囲気を醸し出しているわけでありまして,あらゆる世代の方々,人々に憩いくつろいでいただける大変すばらしい公園であると思います。そして,県民の安らぎと楽しみの場としてはもとより,観光や国際交流拠点としての幅広い機能を有する極めて公共性の高い新しいタイプの都市型公園であるというふうに考えているところであります。 続きまして,社会福祉法人健寿会についてのお尋ねであります。 社会福祉法人健寿会の設立認可につきましては,社会福祉事業法の定める権限に基づき当時県が認可をしたものであります。現在の監督権限が岡山市に移っていることは御質問のとおりであります。 寄附金についてでありますが,設立認可時の資金計画では,贈与契約書に基づく理事予定者からの寄附が計上されておりました。 一方,金融機関からの融資についてでありますが,社会福祉事業法の中では,法人に確実に帰属することを明らかにすることができる書類で審査することとなっているため,その書類の提出を指示したところ,金融機関の融資証明書にかえて理事予定者からの贈与契約書が別途提出されたことから,資金計画に支障はないと判断をしたものでありまして,事務手続上問題はなかったものと考えております。 認可の審査に当たりましては,審査基準等に定められた書類等により行っておりますが,このうち寄附金及び借入金については,贈与契約書,残高証明書,納税証明書等により確認したところであります。特に当法人の場合には,個人からの寄附金額が多額になるため,直接本人に面会をしてその意思も確認をしております。したがって,認可時において必要な基本財産等の設立要件は満たされていたものと認識をしているところであります。 財団法人光清会についてでありますが,同財団が社会福祉法人健寿会に土地を譲与したことについては,これは運用財産でありまして,法律上問題がないものと認識をしております。また,業務委託につきましては,特別養護老人ホームなどの建設にかかわる準備業務を内容としたものでありまして,同財団の寄附行為から契約の締結は可能であると考えられます。 本件につきましては,県といたしましても,問題があると十分認識をしているところではありますが,いずれにいたしましても,特養ホーム「プルミエ岡山」をめぐる諸問題については,これは社会福祉法人健寿会にかかわることでありまして,こうした観点から,現在同法人の監督権限を有する岡山市と十分連携を図りつつ県として必要な調査を今後とも行ってまいりたいと考えております。 次に,中国と岡山についてでありますが,まず戦争責任等についてでありますが,基本的には,この問題は25年前の1972年の日中共同声明によって一定の方向づけがなされたものと考えておりますが,私といたしましては,今後とも,人的交流や経済交流などを通じましてさらなる友好を深めてまいりたいと考えております。 上海事務所についてでありますが,上海が東アジアの経済拠点として発展が期待されていること,県内企業の関心も高く,進出企業が集中していることなどから,現地での支援拠点として経済界やジェトロの協力のもと10月に設置することとしたものであります。具体的には,現地情報の収集・提供や県内企業の活動支援,本県の産業・観光情報の発信など幅広い業務を行うこととしております。こうした現地での業務を通じて,経済交流の促進とともに,上海との空路の開設や航路の拡充などの成果を期待しているところであります。 上海便についてでありますが,8月の日中航空交渉で中国-岡山間の定期航空路線の開設が合意されたところであり,県内企業の進出も多く,事務所を開設する上海との路線を希望をいたしております。現在,具体的な路線について中国の関係機関で検討されておりますが,先般,副議長を団長として県,県議会,経済界の代表が中国を訪問し,関係機関に要請した際,前向きな発言をいただいたところであります。今後も,早期に上海路線が決定され,運航されますように働きかけをしてまいりたいと考えております。 上海航路についてでありますが,本年7月から上海-大分-福山-水島間に「ドルフィン・グレイス号」が隔週1便で就航しております。7月,8月の水島港でのコンテナ取扱実績は20フィートコンテナに換算して80個程度でありまして,積載容量の約5%でありますが,企業関係者によりますと,船便の増加等利便性が高まればもっと利用したいとの意向であります。今後とも,内外のポートセールスに努めてまいりたいと考えております。 また,旅客船の就航についてでありますが,現在,大阪・神戸から上海へ週1便の定期フェリーが就航しておりますが,利用率は大変厳しい状況にあると聞いております。現時点での水島からの旅客定期航路の開設は困難かと思われますが,その可能性について長期的な課題として研究をしてまいりたいと思います。 次に,国際貢献の問題でありますが,AMDAは,NGOの特性を生かして,迅速かつ適切な緊急救援,医療・保健衛生活動を幅広く展開されており,その活動を県といたしましても高く評価をしているところであります。県では,本年8月から9月にかけボランティアの人材を養成するために開催をいたしました国際貢献ボランティア養成講座にAMDAの関係者の方を講師としてお迎えし,その活動精神や事例等をお話をいただいたところであります。 国際貢献活動をコーディネートする専門家等を岡山の地において養成することは,これは大変意義あることと考えております。AMDAが現在進めておられます国際貢献大学構想については,資金計画等多くの課題がありまして,現在,これらについてAMDAにおいて検討をなされているというふうにお伺いをしております。今後,より具体的な内容についてAMDAからお伺いをしながら,さまざまな角度から研究をしてまいりたいと考えております。 国際貢献についてでありますが,21世紀は人,物,情報が地球的規模で飛び交ういわゆるボーダーレスの社会,時代であります。岡山県も地球社会の一員として,地球環境や保健医療等さまざまな人類共通の問題の解決に向けて積極的に貢献していくことが重要な課題と考えております。こうした課題に対処するためには,国,地方公共団体,NGO等がそれぞれの役割を尊重しながら相互に連携・協力していくことが必要であります。このため県といたしましては,今後とも,国際貢献ボランティア等人材の育成やNGOが活動しやすい環境づくりに取り組むとともに,本県の特性,蓄積された技術を生かした技術協力や海外技術研修員等の受け入れを推進してまいりたいと考えております。 次に,ダイオキシン問題についてであります。県下のダイオキシンの発生量につきましては,法施行前のため対象となる施設の詳細な排出実態を把握しておりませんが,排出量の80%を占めると言われております市町村のごみ焼却場から排出される量は,全国での焼却量と本県の焼却量をもとにあえてこれを試算してみますと,県下では約56グラム程度と推測をされます。あえて試算した推測値でございます。 なお,法規制による削減効果については,おおむね国が想定をしております90%以上の削減ができるものと考えております。 お尋ねの4施設のごみ焼却施設の改良につきましては,完全燃焼などの運転管理対策を徹底するほか「美甘新庄」では排ガス冷却配管等の修理を,「真庭郡北部」では一酸化炭素,酸素濃度分析計の設置を,「英北」ではバグフィルターの設置等の整備を,「津山圏域東部」では集じん機の修理をそれぞれ実施をしているところであります。なお,これら改良後は,いずれも緊急対策基準値が守られるものと考えております。 改良達成の見通しについてでありますが,施設改善等を含め市町村を強力に指導しているところでありまして,すべての施設において5年以内に恒久対策基準値を達成できるものと考えております。 焼却炉の大型化については,今年度中を目途に,市町村の意向を十分取り入れながら,広域化ブロック割りやあるいは施設整備計画等を織り込んだごみ処理広域化計画を策定したいと考えております。 なお,広域化の推進に当たりましては,お話のように新たな環境問題等が生じないよう十分配慮してまいりたいと考えております。 製鋼用電気炉につきましては,県下の3事業所において6施設が設置されております。排出状況につきましては,現時点では把握をしておりませんが,このたびの法改正を契機として,県といたしましては,事業者から報告を求めるなどその確認に努めてまいりたいと考えております。 最後に,県立病院の建物でありますが,築後40年が近づき老朽化が進んでいるだけではなく,隔離,収容を前提とした構造となっておりまして,現代的な精神医療にふさわしくないためできるだけ早急に建てかえる必要があると認識をいたしております。 用地の調達方法について具体的な御提案もちょうだいいたしましたが,それら御提案も今後参考にしながら今後適地の選定作業を進めてまいりたいと考えております。 お許しいただきまして,先ほどのお答えに追加をさせていただきたいと思います。 この財政危機の責任論であります。先ほどお答えをいたしましたが,財政危機に至った要因であります。直接的には国の財政構造改革の大きな影響,また背景としては,税収低迷と景気対策に伴う財政負担があって,一方では21世紀を展望して県民生活のための各種基盤整備を積極的に急いでやってきたということがあると考えております。先ほども申し上げましたとおり,これらの社会資本の意義は,21世紀の岡山の発展のためにとって大変意義深いものと考えておりますが,結果的にこれらの整備が県財政にとって大きな負担となったことは事実でございます。 しかし,本格的な高齢化社会を今後控えまして,ちょうど岡山県が岡山自動車道の開通など広域交通網の整備と歩調を合わせて長期的な経営判断によって進めてきたものというふうに理解をしているところでございます。そういったことから,今直ちに御質問にもございましたような責任論について議論することは必ずしも適当ではないものというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(大杉尚久君)  教育長黒瀬定生君。   〔 教育長 黒瀬定生君 登壇 〕 ◎教育長(黒瀬定生君)  民主クラブの橘議員の代表質問にお答えいたします。 まず,登校拒否対策についてでございますが,その解決に当たりましては,登校拒否児童生徒一人一人の悩みや思いを聞きながら支援していくことが大切であると考えておりまして,スクールカウンセラーや教育相談員の配置,適応指導教室の設置などの充実に努めているところでございます。また,学校適応推進協議会におきまして,教育関係者や臨床心理士,教育相談員などの意見を聞きながら,より効果的な施策や学校における指導のあり方について研究をしているところでございます。 なお,登校拒否児童生徒についての詳細な追跡調査は実施しておりませんが,教員の家庭訪問などの指導によりまして,小学校では30%,中学校では20%程度の者が登校できるようになっております。また,適応指導教室に通った中学生の多くが卒業後進学や就職をしたと聞いております。 次に,中高一貫教育は,本県におきましても今後の重要な課題の一つであると考えておりますが,利点とともに問題点も指摘されておりますので,この8月に発足いたしました県高等学校教育研究協議会にあるべき姿について検討をお願いしたところでございます。また,学科の改編や総合選抜制度の廃止と中高一貫教育とは直接的なかかわりはございませんが,いずれも生徒の個性を尊重した教育の推進を目指したものであると考えております。 次に,教員の採用についてでございます。教職への使命感,教育的愛情などの普遍的な資質とともに,個性重視の教育やいじめの問題など今日的な課題に適切に対応するために多様な体験を持つ多様な人材を確保することが重要であると考えております。このため,ボランティア活動や民間歴などの体験をより適切に評価したり,民間人に面接委員を委嘱するなど選考方法の改善を図っているところでございます。 年齢制限につきましては,35歳以上でも受験できるよう特例を設けておりまして,平成9年度には8名を採用しているところでございます。 さらに,いろいろな分野で活躍し,豊富な経験を持った方々については,お話の社会人講師活用事業のほかにも,神楽や手すき和紙などの地域の伝統的な文化や産業を学んだり,障害者や高齢者への理解を深めたりするための講師として招くなどいたしまして,さまざまな形で御協力いただいているところでございます。今後ともこうした取り組みを進めまして,学校教育の活性化に努めてまいりたいと考えております。 最後に,少年犯罪の増加についてでございますが,その原因を特定することは困難でございますが,子供を取り巻く環境の変化や社会全体の価値観の変化などがその背景にありまして,子供の規範意識が低下しているものと考えられます。学校におきましては,道徳教育や特別活動の時間を中心に,すべての教育活動の中で法や社会の決まりを守る態度の育成に努めているところでございます。また,児童生徒の規範意識の向上には,家庭教育の果たす役割も大変大きく,今後とも,学校と家庭,地域社会,関係機関が連携した取り組みを一層充実してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(大杉尚久君)  警察本部長三谷秀史君。   〔 警察本部長 三谷秀史君 登壇 〕 ◎警察本部長(三谷秀史君)  橘議員の民主クラブ代表質問にお答えいたします。 まず,暴力団情勢についてでございますが,御案内のとおりの事件が発生し,この事件の影響が当県に及ぶおそれがあることは議員御指摘のとおりでございます。現在,県下の暴力団は36団体513人を把握しておりますが,このうち事件を起こしました山口組の勢力は31団体429人と,実に8割以上を占めているのでございます。今回,組長が射殺されました宅見組の傘下団体は津山,勝英両警察署管内に4団体42人,反対に,襲撃したと言われております中野会の傘下団体は岡山市内に1団体20人を把握しております。現在まで県内では抗争に関連した事件,その他特異なものの発生はございません。 しかしながら,岡山県警といたしましても,兵庫県警など関係府県警と連携をとりながら,中野会傘下の先ほど申し上げました事務所周辺では24時間体制で張りつけ警戒を行うとともに,宅見組傘下団体を初め他の山口組関係団体の視察警戒を強化します一方で,高速道路等主要箇所において常時検問を行いまして県外からのいわゆるヒットマンの流入阻止を図るなど事件の未然防止に努めているところでございます。 なお,私どもといたしましては,今回の事件が発生したこと,また無関係の市民の犠牲を出したことはまことに残念なことではございますが,これを山口組を分断・解体に追い込む絶好の機会ととらえ,取り締まり体制をさらに強化いたしまして,山口組に対して徹底したメスを入れ,組員などの不法行為についてはどんな小さな犯罪も見逃すことなく必ず事件化を図り,さきの県議会でも申し上げました剔抉検挙の方針で臨み,暴力団の組織を弱体化させ解散,壊滅に追い込む決意でございますので,より一層の御理解,御支援をお願い申し上げます。 次に,県内の少年犯罪についてでございますが,午前中も答弁申し上げましたとおり,本年上半期の少年非行は増加しておりまして,その内容は,中高生を中心とした窃盗犯が大半ではございます。ただ,御指摘の凶悪犯につきましては,大幅に増加いたしており,しかも御指摘のとおりそのいずれもが複数による犯行でございまして,極めて憂慮される現状であると認識しております。 この現状を踏まえての対策でありますが,少年犯罪のうち悪質重大なものに対しましては逮捕その他の強制捜査を含め厳正に対処してまいります。これは従来から,少年であっても必要な事案につきましては逮捕等強制捜査を行っておりまして,今回その基本方針を再確認したものと御理解いただきたいと存じます。別の言葉で申しますれば,非行少年だからといってやみくもに逮捕していこうという趣旨では決してございません。また,少年を凶悪事件に走らせないためには,平素から不良グループの実態把握に努め,先制的な補導によりその芽を摘み取っていきたいと考えております。 ただし,集団による強盗,恐・,強姦事件などにつきましては,少年事件ではありましても,刑事部門との共同捜査を初め警察組織の総力を挙げて早期検挙に努めてまいる所存でございます。 次に,集団による少年の凶悪犯が増加する原因についてお尋ねがございました。大変難しい問題でありますが,ことしの犯行グループおのおのの実態を分析いたしますと次のようなことが言えます。すなわち,極めて自己顕示欲の強いいわばボス的な力を持つ非行少年を中心とし,その周りに自主性の弱い付和雷同型の少年が集まった集団である,これが主犯格の少年の指揮のもと,遊ぶ金欲しさ,あるいはゲーム感覚で犯行に及んでいる,こういうケースがほとんどでございます。 以下は私見でありますが,この現象の原因は,少年を取り巻く社会環境などの悪化によって少年一人一人の規範意識が低下していること,加えて,家庭,学校,地域の連帯感の弱体化による社会的犯罪抑止力が低下していること,さらには,いわば非行少年予備軍ともいうべき少年たちの行き場のないことなどが主たる要因ではないかと考えます。以上の原因を踏まえましてあえて申し上げますと,警察のみの力では,御指摘の少年非行,とりわけ集団での少年凶悪犯罪の増加傾向をとめることは難しいのではないかと考えます。私ども警察は,強く優しい少年警察としてできる限りの力を尽くしてまいりますので,県民各位,とりわけ地域,学校,家庭のおのおのの役割を十分果たしていただきますよう従来以上にお願い申し上げます。 以上でございます。   ~~~~~~~~~~~~~~~
    ○議長(大杉尚久君)  以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。   ~~~~~~~~~~~~~~~ △9月12日の議事日程 ○議長(大杉尚久君)  明日の議事日程は,午前10時30分開議で,公明岡山県議団の代表質問であります。   ~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(大杉尚久君)  本日は,これをもって散会いたします。        午後2時44分散会〇 平成9年9月11日(木曜日)出席議員   1番 山田総一郎君     2番 長瀬 泰志君     3番 草苅 隆幸君   4番 住吉 良久君     5番 鈴木 一茂君     6番 内田 大介君   7番 小田 圭一君     8番 渡辺 英気君     9番 内山  登君  10番 河本  勉君    11番 岸本 清美君    12番 有木  庸君  13番 小田 春人君    14番 福田 通雅君    15番 岡崎  豊君  16番 藤村 欣裕君    17番 藤木 靖史君    18番 岡本 俊彦君  19番 武田 英夫君    20番 景山 貢明君    21番 高橋 英士君  22番 岡田 信之君    23番 渡辺 慎一君    24番 松山 茂樹君  25番 橘  民義君    26番 阿部寿満子君    27番 大東 良一君  28番 古山 泰生君    29番 中塚 正人君    30番 市村 三次君  31番 三村 峰夫君    32番 千田 博通君    33番 佐古 信五君  34番 天野  学君    35番 森  正人君    36番 桑山 博之君  37番 井本 丈夫君    38番 中山 善喜君    39番 近藤さち子君  40番 日南  香君    41番 元原 敏治君    42番 井手紘一郎君  43番 高岡 一郎君    44番 小枝 英勲君    45番 栗山 好幸君  46番 竹藤 太郎君    47番 古市 健三君    48番 加藤 秀明君  49番 大杉 尚久君    50番 肥田璋三郎君    52番 高橋 幸定君  53番 小林  毅君    54番 高宮  明君    56番 蜂谷 勝司君  57番 門木 和郎君    58番 原  寿男君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~欠席議員  55番 有可 洋典君    59番 元浜 貫一君           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~出席した事務局職員  事務局長     大畑 利幸         次長       合田  正  議事課長     高橋 幸男         政務調査室長   福山 明彦  議事課長代理   前原 耕二         議事課長補佐   原  常秀  議事課主幹    多田  修           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  速記  主査       亀山 節子         主査       石川 幸二           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~説明のため出席した者知事部局  知事       石井 正弘君        副知事      定金  聰君  副知事      野平 匡邦君        副知事      太田 房江君  出納長      秋山 孝之君        公営企業管理者  蓬郷 隆治君  知事室長     池田 敏弘君        総務部長     本田 茂伸君  総務部次長    安田  充君        企画部長     黒崎 一秀君  地域振興部長   村上 行範君        保健福祉部長   中林 圭一君  商工労働部長   國藤 士郎君        農林部長     山田 成一君  土木部長     熊谷恒一郎君教育委員会  委員長      中山 重義君        教育長      黒瀬 定生君  教育次長     平岩  武君公安委員会  委員長      苅田 善政君        警察本部長    三谷 秀史君  警務部長     田端  浩君人事委員会  委員長      横田  勉君        事務局長     杉井 道夫君監査委員  代表監査委員   花坂 卓也君        事務局長     山縣 千洲君選挙管理委員会  委員長      片山 邦宏君...